2口目

共存する関係値


                                      

「あのさ」


「何?」


「なんでスク水なの?」


「え、せっかくだから?」


「いや、私達修学旅行とかで一緒にお風呂入ってたよね?」


「まぁそうだけど」


「どうしてわざわざ…」


「ほら、よくあるシチュエーションじゃない?」


「あぁ、漫画とかの?でもあれそもそも性別違うし、メタいこと言うと裸じゃイラストにできないし。」


「でもこれはこれでよさがあるでしょ?」


「確かに普段とは違うけど…着たり脱いだりするの大変じゃない?体洗う時とかも…」


「っ!いいじゃん!私はとにかくこれがしてみたかったの!」


 と、莉愛は真っ赤になってそっぽを向く。

 あー、またやってしまった。莉愛の気持ちを汲み取れずに、毎回余計なことを口に出してしまう。自分の良くないところだと自覚はしてるんだけどな。それでも繰り返してしまうあたり、あまり普段から意識できていないのかも知れない。今までだって


「また一人でそうやって考え込んで!発言は気にしてないから、自責する癖を直しなさいってずっと言ってるでしょ!そんなことなんてしてないで、せっかく水着着てる私がいるんだから今は私に集中しなさい!」


 そう言って彼女は私を思考の沼から引っ張り上げてくれる。


「可愛いよ。」


「そ、そりゃそうに決まってるでしょ!ほら、さっさと背中流させなさいよ!」


「可愛いよ。」


「だから分かったわよ!」


「後でもっと可愛が「もう分かった!分かったから!」


 …いつもありがとうね、ほんとに。

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