第6話 シュバルツァーの奥の手
氷を破壊した自身を
『ハッハー!本当は怨敵シュバルツァーを殺し!それを
他の全てを無視してカリエスに向きそう叫ぶ男。
「くっくっく・・・"老いたジジイ"だってさ・・・」
「ほっほっほ・・・舐められたもんじゃなぁ・・・カリエスよ、
「はいよ」
ひとり前に出るシュバルツァー。そこで今まで眼中に入れてなかった
『ああ?なんだガキ?殺されたくなかったらすっこんでろ』
「ほっほっほ・・・儂を殺したいんじゃろう?しかしそう簡単に殺せるほど弱くないつもりじゃよ・・・」
『何言ってんだこのガキ?』
それは周りも同様で口々にシュバルツァーを止める。
「離れなさい!殺されるぞ!」
「遊びじゃないんだ!子供は帰るんだ!」
周りは子供を見て
そんなことも気にせずにカリエスは高度な魔法を使用する準備をした。
「繋ぐは空間。光から影へ。影から光へ。そこにすべてを送る・・・
そう呪文を唱えて魔法を発動した。すると
それは通称:呪文魔法といわれるもの。魔法というものは基本的には魔法名を唱えるだけで使用できるものがほとんどであり長ったらしい呪文などは存在しない。
しかしあまりにも高度過ぎる魔法に関しては呪文を用いることで発動の手助けとする。それが呪文魔法であり魔人であろうとも発動できるものは少ない。これを持っているかどうかで魔人としての格が変わる。"最強の魔人"と言われる者たちは最低でも1つは必ず呪文魔法を持っている。
『ああ?なんだこりゃ?』
「ほっほっほ・・・ここじゃとちと被害が大きくなるからのう。もっと広い場所で戦おうではないか・・・」
『てめえ!カリエス・ドリトン!逃げんの』
フォン
「さて、コーヒーでも飲んでようかねえ」
そう言って帰ろうとするカリエス。しかし先程の子供について質問攻めにあいそう簡単には帰宅できなかった。
/////
そこは広い草原。周りには人も建物もなにも存在しない場所。。そんな場所に突如として現れた1匹と1人。
『か!・・・チッ・・・どこに飛ばしやがったあいつ・・・』
「さてさて・・・どこじゃろうなぁ・・・儂にも分からん・・・」
『はっ・・・残念だったなガキ・・・どうやらてめえは巻き込まれたようだぜ?』
「はて?巻き込まれたとな?儂はお主を倒すために自ら飛び込んだんじゃが?」
『てめえが俺様を?・・・ガッハッハ!これはおもしれー!
「ほう?お主程度で
その挑発により子供のシュバルツァーを見て笑っていたボイザック・ボーライから笑みが消えた。
『てめえ・・・ガキが!調子に乗んじゃねえぞ!潰れて死ね!』
そう言って怒ったボイザックは左前脚を地面にいるシュバルツァーに振り下ろした。そのスピードは大きさの割に速さもあり一瞬にてシュバルツァーの頭上近くに。
「瞬影」
ドシン!!
しかしスピードで言えば巨獣のボイザックよりもシュバルツァーの方に分があった。
『ほう・・・少しはやるじゃねえか・・・だがな!俺様は最強だ!俺様に勝てるやつなんざいねえんだよ!
そう言って右前脚をシュバルツァーの方へ向けて振るボイザック。するとそこから3つの斬撃が飛びシュバルツァーを襲う。
「緋剣!」
ギィー!!
拮抗するシュバルツァーの斬撃とボイザックの爪での斬撃。
「ふむ・・・六割では無理か・・・」
バン!
シュバルツァーは自身の全力が全盛期から比べれば六割ほどと考えた。しかし最強の強さを誇った剣聖シュバルツァーの六割ですら大抵は簡単に屠られる。それが当たり前であるがシュバルツァーの目の前にいるボイザック・ボイラーは自身で最強と謳う程度には実力があるようだ。
シュバルツァーの緋剣を|ボイザックの
ドザン!!
『ちっ・・・こんな奴を殺したところで憂さ晴らしにもなりゃしねえ・・・近くの街でも襲う、か!?』
完全にシュバルツァーを殺したと思い立ち去ろうとしたボイザック。しかし相手はシュバルツァーありそう簡単にやられるわけもなかった。
「一応最強の技なんじゃが・・・大ダメージともいかんな・・・なんちゅうタフネスじゃ・・・」
『クソガキが!!
「おっとバレてしもうたか。瞬影」
シュバルツァーは幻走という偽物の自身を作り出し相手に誤認させる走術を使用。これに嵌ったボイザック。シュバルツァーは隙だらけのボイザックの後ろから自身最強の技である剣を縦に振り下ろす夜剣を発動。しかしその最強の技でもボイザックに大ダメージを与えることは出来なかった。
『てめえ・・・全力で殺してやるよ!
ボイザックの口から放たれる光線。これはボイザックの最強の技であり全力でシュバルツァーを殺そうという表れだった。
「さてさて・・・どこまでやれるかのう・・・」
全盛期から六割ほどの子供姿の剣聖シュバルツァーvs
ボイザックがその大きな四脚で攻撃し爪の斬撃を飛ばし咆哮を放ち、苛烈な攻撃にてシュバルツァーを殺そうとしているのに対して回避を重視して隙を見つけては連続にて斬りつけ神速の速さの居合術で斬り斬撃を飛ばし剣を振り下ろし。
しかしそんな拮抗した攻防も徐々にボイザックがシュバルツァーの動きに対応してくる。
『ちょこまかちょこまかと!うざってえんだよ!
「瞬影!」
またしても瞬影にて回避するシュバルツァー。しかしその動きを完全に目で追えていたボイザック。
『うぜえって言ったよな!!』
「なっ!?」
ドガン!
「がはっ!?」
シュバルツァーの動きを見切ったボイザックの前脚での攻撃をモロに受けたシュバルツァー。吹き飛んでいく。
『ハア・・・ハア・・・ちっ・・・手間取らせやがって・・・今ので死にやがったか?』
ボイザックの巨獣のその威力は一撃一撃が致命傷となる威力を誇るためにシュバルツァーは掠ることも許されず回避を続けていた。
シュバルツァーが死んだかどうかを見に行くボイザック。飛んでいった方向に歩くとボイザックはその足を止めた。
『てめえ・・・その姿・・・』
「さっきの攻撃は効いたぜ・・・これが間に合ってなかったら間違いなく死んでただろうな・・・」
『・・・シュバルツァー・バルモンド・・・』
先程まで子供の姿であったシュバルツァー。しかし今では全盛期の青年の姿となってボイザックの前に立ちはだかる。
「さて・・・この魔法も初めてでな・・・まだ不安定なんだ・・・だから悪いがすぐに終わらせるぜ?」
『は・・・ハーハハハハ!何がどうなってんのかわけわかんねえが!いいぜ!てめえが本物のシュバルツァー・バルモンドであろうと偽物であろうとも!最強たるこの俺様がぶっ殺し、て!?』
「話が長えよ」
ボイザックは話しながら一切警戒を緩めてはいなかった。しかし今のシュバルツァーの速さはボイザックの予想を超えていとも容易く懐まで潜らせた。
『しまっ!?』
「
ザン!!!
『ガア!?』
そのシュバルツァーのたったの一振りで
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