第2話 最強の魔人

この世界は魔法が存在し最近になって列車が作られるような技術レベルの世界。1つの大陸に五つの大国といくつかの小国が存在する。


シュバイツァーが住んでいるのは五大国の1つブルークリスタル王国でありシュバイツァーはブルークリスタル王国で騎士の頂点に君臨する天騎士だった過去をもつ。

ブルークリスタル王国が大国となったのもシュバイツァーの力が大きいと言っても過言ではない。


そんなシュバイツァーは近くのバルモンド街にやってきた。ちなみにバルモンド街は元はランテイル街と言われていたがシュバイツァーの出身の街として名をバルモンド街に改めている。


「よっこらせっと・・・ここらで良いじゃろう・・・」


シュバイツァーはバルモンド街に入ってすぐのところに襲い掛かってきて気絶させたコーリアン・ケモルスキーを置いた。


「ふう・・・歳は取りたくないもんじゃ。この程度で疲れてしまうとは・・・さて、久方ぶりにに会いに行くかのう・・・」


そうしてバルモンド街を歩き出すシュバルツァー。さすがシュバルツァーの名前を冠する街としてシュバルツァーが街を歩いているとすれ違う老若男女が握手を求め声をかけてくる。


「剣聖様!握手してください!」

「うむ。時に聞くがはまだこの奥にいるかのう?」

「ああ、カリエス様ですか。はい。この前も街中で見かけましたのでいらっしゃると思いますよ」

「そうか感謝するぞい」


シュバルツァーは道を尋ねながらカリエスという人物のもとへ進む。


「街の奥にポツンと・・・相変わらずじゃなぁ・・・」


そこはバルモンド街の奥の奥に一軒だけ存在する。周囲にはこの一軒の家以外にはなにもなくポツンと家が一軒だけ建っている状態。


ガチャ


「糞ババア!まだ生きておるか!」


家の扉を勝手に開けながらそう口悪く言うシュバルツァー。すると、家の廊下を超えた奥から瞬きほどの速さでシュバルツァーに向かい鋭く尖った氷が飛んでくる。


「"雷剣"!」


ザン!


その超速で飛来する尖った氷を神速の居合術で切断するシュバルツァー。


「誰が糞ババアだい誰が」


そう言いながら家の中から登場したのは小学生か中学生ほどの女の子だった。


「まだ生きてたんだね?

「ほっほっほ。まだまだ死にはせんよ」


この少女こそシュバルツァーが会いに来たカリエス・ドリトンでありでは少女の姿をしているがその歳は優に


カリエス・ドリトンは【氷結の魔人】と言われている所謂いわゆるロリババアなのである。


「で?いったい何しに来たんだい?死ぬ報告かい?」


そんなカリエスの言葉を無視してお茶を飲みながらシュバルツァーは告げる。


「それがのう・・・儂・・・みたいなんじゃがどうしたらいいんじゃろうか?」

「・・・は?・・・」


シュバルツァーのその問いかけに呆気になるカリエス。


ズズズ


「ふう・・・良い茶葉を使っておるのう?これはどこの茶葉なんじゃ?」

「ああそれはイコラム村って言う・・・ってそうじゃないだろう!?・・・あんたさっき・・・何て言った?」

「なんじゃ?不老のくせして老いて耳が遠くなったか?」

「・・・本当なんだね?・・・本当にあんたが魔法に?・・・」

「嘘をつくためにここまで来んよ・・・それで儂はどうしたらよいじゃろうか?」


そのシュバルツァーの様子に事実と判断したカリエスは椅子に深く座り考え込む。


「ありえない・・・いくらいつ目覚めるか分からないとはいえ・・・過去に魔力に目覚めた者の中でも最年長で41だぞ・・・それでも当時は大きな話題となったしそれ以降は40代はおろか30代すらいないというのに・・・なぜ70超えたジジイに今更・・・なぜだ・・・やはりなにかあるのか?それとも完全にランダムだからこそ起こった事・・・だがそれでは・・・」


しばらくそうして考え込んでいるカリエス。彼女は千年を生きた結果、頭脳明晰で特に魔法関係は世界一ともいわれているほどに造氏が深い。しかしそんな彼女でも魔法に目覚める理由になにか規則性があるのか、それとも完全にランダムなのかこれについてはなにも分からないでいた。


今回のシュバルツァーの魔法の目覚めについて考え込んでいたカリエス。片やお茶を飲んで無くなれば勝手に淹れてゆっくりしていたシュバルツァー。


バン!


「シュバルツァー!あんた私の弟子になりな!」

「お断りじゃ。なんで儂が糞ババアの弟子に」


ピシッ!


最後まで言い終わる前にシュバルツァーはカリエスに氷漬けにされ誰もいない庭に連行される。こうしてシュバルツァーはと言われているうちの1人であるカリエス・ドリトンの弟子となった。

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