老人は今更ながら魔法に目覚める~なぜか子供になってしまった剣聖~
プラントスクエア
第1話 魔法使いになる老人
[X809年]
そこは森の中。その奥深くにて家を建てひっそりと余生を過ごしている老人がいた。
ズズズ
「ふう・・・平和じゃのう・・・」
お茶を飲みながら庭を眺めていた老人。昔の戦乱の時代を生き抜いた反動から定期的に昔を懐かしみこのような言葉をつぶやく。
そんな平和を謳歌している老人へ
「やっと見つけたぞ!
それは少年の
「復讐という事かの?」
父親の仇を討つと言われているシュバルツァー。しかしそこに一切の動揺はない。
「早く剣を手にこっちに来い!俺は正面から貴様を殺すと決めている!」
「ふぉっふぉっふぉ・・・礼儀正しい復讐者じゃな・・・よっこらせっと・・・」
椅子の横に立てかけていた自身の愛剣を手に庭に出る。そしてある程度離れた位置で対峙する2人。
「【雷槍の
「ケモルスキー?・・・もしや
「そうだ!確かに父は殺されて当然の悪人だったかもしれない!だが!俺には優しいたった1人の父親だった!それを貴様は!」
「ふむふむ・・・なるほどのう・・・まさかあやつに子供がいたとは・・・しかも親子揃って魔人に至るか・・・」
「黙れ!貴様を殺してやる剣聖!
そうコーリアンが叫ぶと空から槍が続々と降り注ぐ。その槍はその名の通り雷の速さで降り注いでいた。
それはこの世界の一部の者のみが扱える
そんな無限の可能性がある魔法はある一定の領域を超えることで
そして
そしてシュバイツァーは魔法に目覚めていない側の人間。
「ほっよっはっ」
しかし普通の人間であるはずのシュバイツァーは雷の速度で雨のように降り注ぐ一本一本の雷の槍を簡単に避けている。
「くっ!?この化け物が!?なぜ避けれる!?雷の速度だぞ!?この量だぞ!?魔人でもない貴様がなぜ!?」
「ほっほっほ・・・化け物か・・・久しぶりに言われたのう・・・おっと"緋剣"っと」
シュン!
シュバイツァーは自身に当たるすべての雷の槍を避けているわけではない。中には避けれないものも存在するがそんな時は剣を一振りし
「斬撃を・・・これが剣聖・・・父さんを殺した者の実力・・・」
通常は魔法に目覚めていない者が斬撃を飛ばすといった超常的なことは出来ない。しかし雷の速度の槍を避けれる化け物のシュバイツァーにはそれが可能であり、それが剣聖の名を与えられたシュバイツァーという男。
「すまんが復讐を叶えてやれそうにないのう・・・"瞬影"」
「しまっ!?」
それは一瞬で移動する走術。一瞬にてコーリアンの懐に入り込むと流れるように神速の居合術を発動する。
「"雷剣"」
"瞬影"からの"雷剣"のその速さに雷を操り速度に自身があるコーリアンをして避けることができなかった。
ザン!
「ガハッ!?」
シュバイツァーの雷剣をモロに受けたコーリアン。しかしコーリアンは死んではいなかった。
「お主は復讐者じゃが悪ではないようじゃ・・・父親のようにはなるでないぞ?」
死なないように手加減したシュバイツァー。相手は魔人であるがそれほどに余裕があった。
「イテテテ・・・この歳での瞬影は腰に来るのう・・・さて、こやつを街に」
コーリアンを街に運ぼうと言い終わる前に
ピカッ!
突如としてシュバイツァーの身体から光が放出された。
「なんじゃろうかこれは?こやつがなにかしたのかのう?」
そうして気絶しているコーリアンを見るもそれは違うと判断するシュバイツァー。そこで思い出した。
ポン
「そう言えばカリエスの奴が言っておったのう・・・魔法に目覚める時は身体から光が放たれると・・・・・・・・・儂もう72の老人なんじゃが?」
こうしてシュバイツァーは72歳という年齢で魔法に目覚めた。
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