第4話 俺はありさが好き!?
ありさからの手紙を見て俺は最低な奴だと思った。
周りからは優しくていい奴なんて言われているが、今の俺は約束もすっぽかすような最低な人間だと。
俺はその日夜もそのことばかり考えてしまい、なかなか寝付けなかった。
「明日学校に行ったら謝ろう」
そう考えていた。
次の日、足取りが重い中、学校に向かった。
「おはよー!昨日はありがとね!!」
「今日部休だからさ、昨日のお礼に美味しいパンケーキの店知ってるから行かない??」
と花音から話しかけられた。
俺はさっきまでありさに謝らないといけないと思っていたのにも関わらず
「え、がち!?行きたい!!」
と即答してしまった。
「りょーかい!!放課後玄関で待ってるね!」
と花音は行って、友達の方へ走っていった。
俺はありさに謝ることを忘れてテンションが爆上がりしていた。
早く放課後にならないかな~なんて浮かれながら教室に入った。
ありさと目が合った。
俺は思わず目をそらした。
俺は自分の机に座り、重い空気の中バッグから教科書を出した。
勉強をしているフリをしてなんとかこの場を切り抜けなければいけない。
そう思いながらひたすら内容も入ってこない教科書を読んだ。
「おはよ!昨日はごめんね。」
ありさの声がした。
振り向いてみるとありさが立っていた。
俺はなんて言えばいいか分からず
「いやいや、俺の方こそごめん。」
「かなり待っちゃった?」
と言った。
「大分待ったかな~??」
とありさは笑っていた。
俺が悪いのにありさに謝らせてしまった。
それも本来は俺から先に謝らなければいけないのに。
ありさは何も悪いことなんてしていないのに。
俺は自分が情けなかった。
思わず俺は
「あ、もしよかったら今日一緒に帰らない?」
「昨日の手紙読んでさ、俺もその、なんていうか、ありさのことがさ」
と落ち着かない感じで話した。
「え、いいの?今日は大丈夫なの??」
とありさが驚いた様子で聞いてきた。
「大丈夫だよ!!」
と俺は少しカッコつけて言った。
ありさはニッコリ笑いながら
「あと手紙って何のことかな??」
と言いながら自分の席に戻っていった。
俺はドキッとした。
ありさは顔ももちろん可愛いが、話し方、しぐさもかなり可愛い。
さっきまでの重い空気が一変して、むしろ意識してみるようになってしまった。
いや、俺はとても大事なことを忘れていた。
朝に花音と約束していたことを。
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