海は夏の終わりに
梅林 冬実
海は夏の終わりに
白い波が押し寄せて 引き返していく
波紋は美しい 綺麗な弧を描いて
こちらに何やら語りかけるよう
波音に耳をすまし風に吹かれる
何のドラマも起きなかった夏だけれど
こうして懐かしい海に来られたし
まぁ よしとしましょう
澄み渡る空はもう
秋の到来を告げているようで
まだ少し早いんじゃない?なんて
なれなれしく伝えたくなる
暑すぎるのには参ったけれど
入道雲も路地に咲くひまわりも
宵闇を照らす花火も 涼しげに泳ぐ金魚も
たくさん見られた
そんな些細なことに幸せを実感したら
人に笑われるかしら?なんて
どうでもいいわね そんなこと
自分がどう思うかよ 大切なのは
静けき海 長閑な海
夏の終わり ほんのひととき
海を眺め 海に和む
潮の香りを嗅ぐのは
今年最後になるだろう
来年の海を私は
どのように感じるだろう
できればこんな風に
誰にも気付かれない幸せを
喜べる自分でありたい
海は夏の終わりに 梅林 冬実 @umemomosakura333
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます