12 教団に潜入


 俺はガイナードに案内され、魔王教団のアジトにやって来た。


「これが――」


 一見して、なんの変哲もない小さな屋敷だ。


 が、正門から内部に入り、一階の奥にある部屋に行くと、


「ここが入り口です」


 ガイナードが説明した。


 本棚の本を何冊か抜いていく。


 たぶん、その順番が仕掛けになっていたんだろう、ゴゴゴ……と震動がして、床の一部がスライドした。


「隠し扉か」

「ええ。もう一つ、開錠魔法も必要ですが――【開錠】」


 と、ガイナードが魔法を発動する。


 すると、床がスライドして現れた扉がゆっくりと開いた。


「隠し扉と開錠魔法――つまり物理と魔法の二段階方式でアジトの入り口を隠しているわけか」

「左様です。さあ、どうぞ」


 ガイナードに促され、俺は地下室に入った。




 地下は入り組んだ道になっていた。


 ちょっとした迷宮だ。


 ガイナードが案内してくれたから迷わずに済んだが、俺一人だと進むのに苦労しただろう。


 やがて広まったホールに出た。


「あれは――」


 俺は前方の像を見て、息を飲んだ。


「魔王レスティア様の像です」


 と、ガイナード。


 レスティア――やっぱり彼女が魔王として認知されているのか?


 その姿は学園で見慣れた美少女のものではなく、禍々しい竜の頭と六本の腕を備えた異形の魔物のそれだった。


 これが――レスティアの魔族としての姿なのか。


 あるいは単に想像でこういった像を作ったのか。


 とはいえ、とりあえず教団にとって魔王はゲーム通りのアーヴィスではなく、レスティアに置き換わっていることが分かった。


「そして、あちらにあるのが――魔王と神の戦いを描いたものになります」


 ガイナードが指さしたのは、壁に掛けられた巨大な絵画だった。


「これが……神?」


 俺は【神】の姿を目にして、息を飲んだ。



****

※本作品の書籍化が決まりました! KADOKAWA・エンターブレイン様から11/29発売予定です。

https://www.kadokawa.co.jp/product/322407001435/

こちらから予約受付中ですので、ぜひ! 新規エピソードも大量に加筆してます!


〇『冒険者学園で最底辺の僕が寵愛チート無双 美少女たちが寄ってたかって初めてを捧げてくるし、誰も僕を放っておいてくれないんですけど!?』

新作始めました! ランキング上位を狙うためにも、フォローや★の応援をしていただけたら嬉しいです! 下のリンクから飛べますので、ぜひお願いします~!

https://kakuyomu.jp/works/16818093088177134503



〇読んでくださった方へのお願いm(_ _)m

☆☆☆をポチっと押して★★★にして応援していただけると、とても嬉しいです。

今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひ応援よろしくお願いします~!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る