10 魔族、そして教団
「現魔王レスティアの力を削ぐ、と言ったな? それはどういう意味だ」
俺は引き続き魔族への尋問を行っていた。
「なぜ俺を殺すことが魔王の力を削ぐことにつながるんだ」
「お前は――レスティアの片腕なんだろう?」
魔族が俺を見つめた。
「ディフォール様はそう説明していた。少なくとも、いずれお前は魔王軍の中枢に入る、と。人間でありながら、ほとんどすべての魔族を超越する力を持つお前を、魔王は高く評価している……と」
「っ……!」
俺は思わず息を飲んだ。
確かにゲーム内で、レイヴンは魔王軍の重鎮として君臨している。
魔王がアーヴィスからレスティアに変わっても。
俺が学園内での立ち回りなどを大きく変えていても。
結局、ゲームと同じ流れに向かっていくというのか――?
「そいつは誤解だ。俺は魔王に与するつもりはない」
魔族を見据える。
「今回は見逃してやる。お前の主であるディフォールにもそう伝えろ」
「は、はい……」
俺が拘束を解くと、その魔族は逃げるように去っていった。
と、
「今の手並み――見事でございました」
入れ替わるように、今度は十数人の集団が俺に近づいてきた。
いずれも目深にかぶったフードにマントという姿だ。
まるで俺を包囲するように扇形に広がり、遠巻きにする。
「……誰だ、お前たちは」
俺は警戒心を強めつつ、体内で魔力を練り上げた。
どうやら魔族ではなく人間のようだけど――。
「我々はあなた様を誘いに来たものです」
先頭の男が一礼した。
フードを取ると、中性的な美貌の男だった。
年齢は二十代半ばくらいだろうか。
「俺を誘う?」
「左様です。我らは『魔王教団』の者。レイヴン・ドラクセル様とお見受けします。よろしければ、我らの本部までご足労いただけませんか?」
男が言った。
「あなた様にとっても有用な情報が得られるかと存じます」
有用な情報、か。
彼らの素性を考えると、それはつまり――。
「魔王に関する情報か……?」
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