第4話
「あの二人には悪いけど、この恋は諦めてもらうしかないわね」
「なんで? 良いじゃないか。本人たちにその気があるなら、僕たちに止めさせる権利はないだろ」
「良いわけないでしょ! あの
「仲良く、親族関係を築けばいいじゃないか」
──相っ変わらず、話にならないわね。
もちろん、サトルに聞こえるように、だ。
◇
互いにブレイク必死の若手俳優として数々のドラマに出演し、知名度が高まっている頃。
サトルと
事務所に別れるように説得された二人には、ほどなくして破局報道が流れた。
──その後、三・四年の月日が経ち、サトルは
そして、サトルと
◇
「彼女はダメよ、諦めなさい」
──悪役なら、お手のものだ。長年、女優人生を送ってきただけの自負はある。
無論、心苦しさを感じてはいる。
しかし、
「母さん、サトルさん達は多分、もう気にしてないと思うよ」
「……え? まさか……優樹……熱愛報道のこと、知って……?」
「……うん」
まさか、優樹が二十年前の、ほんの一時期週刊誌やワイドショーを賑わせただけの、サトルとの熱愛報道を知っているとは。
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