第3話
「クラスに友達ができたよ。クラスの雰囲気も良いし、問題ないよ」
クラスの様子を聞いた
そして、続けざまに口を開く。
「……僕、
「ゴフォッ!」
危うく味噌汁を吹き出しそうになるのを、唇を固く結ぶことでなんとか塞き止めた。
慌てて飲み込んだが、器官に入ったらしく、しばらく咳き込む。
……世の中の思春期の息子というのは、こんなに素直な生き物なのだろうか?
「告白しようと思ってるんだ」
「え!?」
「……放課後、いつも二人で一緒に帰ってて……一緒にいると、すごく楽しいんだ」
「素敵じゃない! きっとうまくいくわよ! 応援するわ!」
「ありがとう」
顔を赤らめ、嬉しそうに話す優樹の顔を見て、
◇
自室で、いくつかの映画やドラマの企画書を精査している時だった。
──着信音が鳴り、
画面に表示された名前を確認し、
無視しようか、と一瞬思ったものの、よほどのことがないと掛けてくる相手ではない、と思い直す。
「なにか用?」
電話口の相手は
サトルは唐突にこう切り出した。
「ウチの娘と君の息子、クラスメートみたいだな」
「……は? 娘って誰のこと──」
一瞬、
──
初めて見た時、“あの人”に似ていると思ったのも当然だ。実の子どもだったのだ。
優樹が恋した相手、
──なんで、よりによって……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます