第21話 新たな試練の始まり

 目の前に現れたのは、かつて封印されていた古代の魔物だった。黒い鎧を纏い、その目は燃えるように赤く輝いていた。全身から圧倒的な魔力が放出され、遺跡全体がその力に震えていた。


「こいつが……封印されていた魔物か!」


 玲二はその巨大な姿を見上げ、拳を握りしめた。魔物はゆっくりと動き出し、その圧倒的な存在感で玲二たちを睨みつけた。


「この力……手強い相手になるわ」


 エリザも剣を構え、冷静に戦闘態勢に入った。セリーヌは魔法の呪文を準備し、玲二を援護する準備を整えていた。


「油断するな。こいつはただの魔物じゃない。古代の封印を破った存在だ」


 玲二がそう叫ぶと同時に、魔物が大きな斧を振りかぶり、玲二たちに襲いかかってきた。


 玲二はすぐに魔物の攻撃をかわし、反撃の魔法を繰り出した。だが、その一撃は魔物の黒い鎧に吸収され、効果がなかった。


「こいつ……防御力が高い!」


 玲二は驚きながらも、さらに強力な魔法を放とうとするが、その瞬間、魔物が斧を振り下ろし、玲二の前に巨大な亀裂を生じさせた。エリザとセリーヌもその攻撃をかわしながら、隙を突いて攻撃を繰り出すが、なかなか有効なダメージを与えることができなかった。


「こんな防御力……どうすれば倒せるの?」


 エリザが焦りの表情を見せたその時、玲二は冷静に分析し、魔物の鎧に隠された弱点を見つけ出そうとしていた。


「この鎧……古代の呪いがかかっているかもしれない。魔法だけじゃなく、呪文解除の術を使う必要がある」


 玲二はセリーヌに目を向け、指示を出した。


「セリーヌ、俺の攻撃に合わせて呪文を唱えてくれ。この鎧を無力化できれば、奴の防御を崩せる」


セリーヌは玲二の言葉に頷き、呪文を準備した。


「わかったわ。準備はできている」


玲二とセリーヌの連携で、古代の魔物との戦いがさらに激化していく。新たな脅威との戦いが、今まさに本格化しようとしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る