第20話 不気味な遺跡の前兆
村を出発して数時間後、玲二たちは目的の遺跡に到着した。遺跡は古びた石造りで、その外観は長い年月によって崩れかけていた。だが、何か強烈な魔力が内部から漏れ出しているのを、玲二たちはすぐに感じ取った。
「ここか……」
玲二は周囲を見渡し、静かに息を吸い込んだ。遺跡の中には明らかに何かが潜んでいた。それはただの古代の遺物ではなく、強力な魔物か、あるいは封印された邪悪な存在であることが、玲二の直感によって確信されていた。
「不気味な場所ね……周囲の空気が重い」
エリザが剣を抜き、慎重に前方を警戒しながら言った。セリーヌもまた、魔力を込めた杖を握りしめ、いつでも戦闘に入れる準備を整えていた。
「中に入るぞ。気をつけて進もう」
玲二が先頭に立ち、遺跡の入り口に足を踏み入れると、突然、不穏な低い音が響き渡った。遺跡の中の空気が一気に冷たくなり、周囲の壁に刻まれた古代文字が淡く光り始めた。
「これ……ただの遺跡じゃないわ。何か強力な結界が働いている……」
セリーヌが緊張した声でそう呟く。玲二はその言葉に頷き、さらに奥へと進んでいった。
遺跡の内部は迷路のように入り組んでおり、薄暗く、不気味な雰囲気が漂っていた。壁には無数の古代の彫刻が描かれており、それらはまるで何かを封印するための儀式を描いているかのようだった。
「何かがここで封印されたんだ……その封印が解けかけている」
玲二はそう呟き、さらに奥へと進むと、突然、地面が揺れ始めた。遺跡全体が震え、足元から低い唸り声のような音が響き渡った。
「来るぞ……!」
玲二が叫んだ瞬間、目の前の床が割れ、その裂け目から黒い霧が立ち上り始めた。その中から、巨大な影が現れた。
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