裏切られた男、最強の力を手に異世界で逆襲を始める

第17話 圧倒的な力の差

　三田村たちを罠にかけ、玲二の復讐の時がついに訪れた。

　彼らが異世界で力を得て、傲慢に振る舞っていたことは、今や無意味となる。玲二が計画した完璧な罠の中で、三田村たちは逃げ場を失っていた。

　玲二は冷ややかな目で三田村を見下ろしていた。彼の前に、かつて自分を裏切り、命を奪った男たちが怯え、もがいている。

「なあ、三田村……どうしてそんなに震えているんだ？」

　玲二は冷笑を浮かべた。その声は冷たく、非情で、まるでかつての自分とは別人のようだった。三田村は必死に体を動かそうとしたが、結界の中で彼の力は封じられていた。

「くそ……動けない……何なんだ、これは！」

　三田村は必死に呪文を唱え、魔法を使おうとしたが、そのすべては結界によって無効化されていた。

「お前ら、いったい俺に何をしたんだ！？」

　玲二は一歩ずつ三田村に近づき、嘲笑を浮かべながら答えた。

「どうした？　俺を裏切って殺したお前が、こんなところで怯えるなんて……随分と惨めだな」

「お前が……黒田玲二だって……！？　本当にお前なのか！？」

　三田村は玲二の姿に驚愕し、声を震わせた。玲二が異世界で生きているなんて、彼らには想像もつかなかった。しかも、彼はこの世界で圧倒的な力を手にしていた。

「そうだ。俺だよ、三田村。お前が裏切り、殺したはずの黒田玲二だ。俺はこの世界で最強の力を手に入れた。今、お前らにその報いを与えるためにここにいる」

　玲二は拳を握りしめ、その力を見せつけるように振り上げた。空気が震え、彼の周囲に圧倒的なエネルギーが集まり始めた。

「こんなところで……終わるわけにはいかない！」

　三田村の仲間である安田と他の二人が何とか立ち上がり、玲二に向かって攻撃を仕掛けようとした。しかし、玲二の力は彼らの予想を遥かに超えていた。

「無駄だ。お前らじゃ、俺に一矢も報いることはできない」

　玲二が軽く手を振るだけで、安田たちの魔法は空気中でかき消され、そのまま吹き飛ばされた。彼らの体は地面に叩きつけられ、動くことができなくなった。

「そんな……俺たちが、こんな簡単に……！」

　安田は驚愕の声を上げ、他の仲間も絶望に満ちた表情を浮かべていた。

「ざまぁみろ。お前らが自分たちが無敵だと思っていたのも、ここまでだ」

　玲二の言葉に、三田村の顔から完全に血の気が引いた。彼らは異世界で「勇者」として特別扱いされ、力を持ち、やりたい放題をしてきた。それが今、この一瞬で打ち砕かれようとしていた。