第13話 裏切り者たちの異世界転生
玲二が異世界での冒険を続け、エリザやセリーヌと共に数々の試練を乗り越えている頃、現実世界では別の動きが起きていた。
かつて玲二を裏切り、その命を奪った三田村翔太とその仲間たち。彼らは玲二を排除したことで、自分たちが成功への道を進むと信じていた。しかし、玲二のいない現実は思った以上に厳しく、彼らの計画は次々と頓挫していった。焦燥感と失望が彼らの心を蝕んでいく。
「何でうまくいかないんだ……! 玲二がいなくなったのに、どうして俺たちは……」
三田村は苛立ちを隠せなかった。彼の周囲には、同じく不満を抱える仲間たちが集まっていた。
「やっぱり、玲二が必要だったんじゃないか?」
「今さら何を言ってるんだ! 俺たちだけでやれるはずだ!」
そんな言い争いが続く中、彼らは一つの噂を耳にした。都市伝説のように語られる「異世界への扉」の存在だ。それは、願いを叶える力が眠る場所だと言われていた。
「もし、その異世界に行けば、俺たちも新たな力を手に入れられるかもしれない……!」
三田村の提案に、仲間たちは半信半疑ながらも、他に道がない現状を打破するために賛同した。
彼らは噂を頼りに、深夜の廃工場に集まった。そこには古びた鏡が置かれており、それが異世界への扉であると信じられていた。
「本当にこんなところに……?」
「信じるしかないさ。俺たちの未来のために」
三田村が鏡に手を触れた瞬間、鏡面が波打ち、不気味な光が放たれた。突然の出来事に驚く彼らだったが、引き返すことはできなかった。
「行くぞ!」
三田村は仲間たちと共に、鏡の中へと飛び込んだ。その瞬間、彼らの視界は真っ白になり、重力を失ったような感覚に包まれた。
次に彼らが目を覚ましたのは、見知らぬ大地だった。青い空、広がる草原、そして現実では見たことのない巨大な生物が遠くに見える。
「ここが……異世界?」
彼らは自分たちが本当に異世界に来たことを実感し、歓喜の声を上げた。
「これで俺たちも新たな力を手に入れられる!」
しかし、彼らの目の前に突然、一人の老人が現れた。長い白髪に杖を持ち、その目は深い知恵と謎に満ちていた。
「ようこそ、異世界へ。あなた方には特別な力を与えましょう」
老人の言葉に、三田村たちは目を輝かせた。
「本当か!? 俺たちに力をくれるのか?」
老人は静かに頷き、彼らに手を差し伸べた。
「ただし、その力をどう使うかは、あなた方次第です。この世界には多くの危険と試練が待ち受けています。それを乗り越える覚悟はありますか?」
三田村は迷わず答えた。
「もちろんだ! 俺たちはどんな試練でも乗り越えてみせる!」
その瞬間、老人の杖が光り、彼らの身体に力が宿るのを感じた。身体能力の向上、魔法の才能、新たな武器の扱い――彼らは自分たちが強くなったことを確信した。
「これで……これで俺たちは最強だ!」
彼らは喜びに満ちた笑顔を浮かべ、異世界での冒険を始めることにした。
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