BONUS-TRACK:1 10 days later

☆☆☆ ATTENTION ☆☆☆


以降のエピソードは、後日談を描いたおまけエピソードです。

コンテストへの応募内容としましては、要項に則り、期間内に更新した前エピソードまでの部分を以て本編とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。


☆☆☆  ☆☆☆ ☆☆☆  ☆☆☆



【シチュエーション:受験も終わって、卒業が近づいてきたある日。六時限目に居眠りをしてしまった主人公を、ヒロインはどうやら放課後まで見守ってくれたようですが……?】



【机に突っ伏している主人公にヒロインが声をかける/位置は斜め左後ろ/距離は普通】


(ヒロイン、野太い声を作って)

「そろそろ起きろーぅ、優等生ぇーぃ」


(SE:主人公が起き上がる衣擦れ)

(SE:ガタっと机が揺れる音)


(声色を元に戻す&位置も後ろだったのが前に変わる)

「ぷっ、あはははははっ! ビクッてした、ビクンって!」


「どう、先生の真似。似てたっしょ。にっししし♪」


「もう放課後だよー。HRホームルーム中もぐっすりだったねえ」


「大丈夫、なんか先生も許してたっぽいよ。『あいつはァ、受験頑張ってたからなァ、今日くらいはァ寝かしてやれぇーぃ』って」


「あ、今のは誇張し過ぎ? でも似てるくない? 特徴は掴めてると思うのよ」


「ん~で、あたしはキミが起きるまで待ってたってわけ」


「別に退屈はしなかったよ? 寝顔を見るのって結構楽しいし。たまにほっぺにチュッてして起きるかゲームしてたし」


「うっそー♪ あっははは、マジ照れしてんじゃーん。顔真っ赤」


(SE:教室の外での足音)


「――うそ、やば。誰か来たっ。ちょ、ホラ立って、ロッカーに隠れて!」


(SE:ロッカーの戸を開け閉めする音)

(SE:中でくっつくことで衣擦れ)


【ロッカーの中で身を寄せ合っている体勢/位置は正面/距離はかなり近い/呼吸音多め】


「(いやだって、隠れるしかなかったじゃん!)」


「(別にあたしらが付き合ってることを隠すわけじゃないけどさ。教室に二人だけ残ってて、キミがそんなに顔を赤らめてたら、絶対なんかあったって思われるじゃん!)」


「(なんかってなんかでしょうが、そのくらいわかれ、小学生かっ!)」


「(だから、隠れるハメになったのはキミのせいなの。わかったらじっとしてて!)」


(呼吸の間)


「(つかヤッバ……冬のロッカーくそ冷たすぎじゃん。タイツ越しでも凍えそうなんだけど)」


「(もうちょっとそっち寄って良い? 脚の裏側が冷たすぎてびくってなるから)」


「(んっ……ちょ、コラ、動かないでって)」


「(……ねえ、なんか鼻息荒くない?)」


「(はっはーん。あたしの胸が当たってるから煩悩まみれなワケだ♪)」


「(ほれほれ、ほうれほーれ。当ててんのよ☆)」


「(あ、これイイかも。くっついてるとこ湯たんぽみたいだし、君の鼻息で湿度上がるし)」


「(あーごめんて、言い方悪かったのは謝るから!)」


(SE:カタン、とロッカー内で箒がズレて音が鳴る)


「(やっ……ば)」


「(どうするどうするどうする? マジで荒いから息止めて息!)」


(SE:扉の向こう、くぐもった足音)


「(いや、やる前から無理とか言うなし! 根性見せなよオトコノコ!)」


「(こうなったら――!)」


(キスで塞ぐ。鼻で呼吸する音。7秒前後)



(SE:遠ざかる足音)


「(ぷはぁっ……! 行った? 行ったよね……?)」


(SE:ロッカーの扉を開け閉めする音)


「はあ~……どうなることかと思ったぁ。汗かいたし、頭くらくらするし、サイアクなんだけど」


「駅前のカフェのハニトー奢りね。チョコバナナのやつ」


「あ、プレーンじゃダメなのかって顔に書いてる。ダメに決まってるじゃん」


「キミが起きるまで待っててあげて、おぱーい押し付けて上げて、窒息キスまでしてあげたんだよ?」


「ん、わかればよろしい♪ 物分かりのいい子には、オプションに『あーん』も付けてしんぜよう」


「……うん? あー、もしかして、あたしが一人で食べるって思ってた? んなわけないじゃん、一斤よ一斤」


「ほらほら、顔を洗ったら行くよー」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る