親友

犯人が分からないまま月日は流れ卒業まで残り10日になった。


「このまま卒業なのかな?それとも卒業で、できないのかな、、?」


心配になる森本に山口ひなは


「そんなんビビんなって、てか卒業出来なくても最悪だいじょぶっしょ」


持ち前のポジティブさで何とか場を濁した。


「ひとつ聞きたいんだけど榎本さんは要さんと仲良かったよね?」


そう星乃ひめが言った。


「う、うん。仲良かったけど、、それがどうしたの?」


「何かわからないの?犯人の目星」


榎本はんーと少し考え分からないと答えた。そこで星乃ひめは榎本と要サクラの馴れ初めなどを聞いた。


要サクラは高校に入学した頃静かな本を読むような子だった。榎本瑠衣もそこまで人と関わるのが苦手なため要サクラに話しかけた


「あ、ねぇ、なんの本読んでるの?」


榎本が勇気をだして声をかけてみた


「あ、太宰治の思ひ出ってやつ、です。」


榎本は興奮した様子で要サクラに


「太宰治好きなの?!私めちゃくちゃ大好きなの!その作品をいいよね!!」


と声をかけたら要サクラは少し笑いながら


「元気な子だね」


と言った。

それが出会いだった。そこから要と榎本は本の話などで沢山盛り上がりどんどん仲良くなって言った。


「そっか太宰治で盛り上がったんだ。私も好きだよ彼の作品」


星乃ひめがそう答えた


「そうなんだ」


少し元気の無い感じだった。まぁ死んでしまった親友の話をさせてしまったのだから仕方がない。


「じゃちょっと私用あるから先帰るわ」


そう言って星乃ひめはあるところに向かった


ピーンポーン


大きい豪邸に響き渡るチャイムの音


「はい、誰ですか」


「星乃ひめです」


でかい扉から出てくるは来なくなった鈴木真莉の家だった。


話があるとだけいいノコノコと上がって行った。


「ちょちょ、、え?いきなりなに?」


焦る鈴木真莉に星乃ひめは


「話がある」


それだけ言って家に上がった。家族は仕事でいないらしく丁寧にお茶までだされ星乃ひめは少しご機嫌だった。


「で?話って何?」


そう答える鈴木真莉に星乃ひめは単刀直入に答えた


「脅されたでしょ?」


「は?」


何を言っているか分からない鈴木真莉に星乃ひめは続けて


「犯人はだいたい分かった。君の親は警察。証拠を偽証することなんか容易い御用。そうでしょ?」


「え?じゃ私が犯人だって言いたいの?」


少しキレ気味に答えた鈴木真莉星乃ひめは真剣に答えた。


「そうでは無い」


「じゃ何が言いたいの?」


「犯人は『榎本瑠衣』でしょ?」


鈴木真莉は焦った様子で星乃ひめに答えた


「そ、そんなわけないでしょ?だって、あそこ親友だよ?」


「じゃ君が犯人なの?」


「ち、違うけど」


焦っている鈴木真莉に星乃ひめは追い打ちをかけた


「調べていて分かった。君のお父さんは死因を偽造できる立場にいる。だがその上には人がいる」


「え、、?」


驚いた様子だった。

そう、鈴木真莉のお父さんは確かに死因を偽造できる立場にいる。だが榎本瑠衣の親は警視総監だった。確かにやろうと思えば榎本の父親も偽造できる。だがそんなのをぺたぺた触っていたらおかしい。だから鈴木真莉のお父さんを使ったのだ。


鈴木真莉は全てあってる。と認め泣き崩れ落ちた。この事が分かってしまえば父親の仕事は失われてしまう。だがそんな鈴木真莉に星乃ひめはこういった。


「大丈夫。先生が言ったようにみんな犯人だから。」


「よく分からないよ」


「明日から学校来て、全部話して」


そう言って星乃ひめはかえった

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