第4話 目指す先
入部して数日後、格闘ゲーム部でレクリエーションとして去年のEVO大会を視聴することになった。
部室にはみんなが集まり、部員たちの期待に満ちた顔が浮かぶ。
大吾もその一人で、緊張と興奮が入り混じった気持ちでスクリーンを見つめた。
大会が始まると、熱気が部室を包む。
ベスト8の選手たちの顔が次々と映し出され、驚くべきことに、日本人が4人も選ばれていることに大吾は心を躍らせた。
アメリカ人が2人、中国人が1人、そしてドミニカ人が1人。
多様なプレイヤーが揃う中、誰が優勝するのか、みんなの目がスクリーンに釘付けだった。
特に注目を集めたのは、17歳の日本の高校生、「岩波 拳志」という名前の選手だ。
彼はまるでロボットのような動きで、相手を次々と打ち負かしていく。
観客の歓声が響き渡り、大吾の胸は高鳴る。「これが、目指すべき姿なんだ」と、拳志のプレイに心を奪われていた。
大会が進むにつれ、拳志は順調に勝ち進み、ついにウィナーズで決勝戦へと進出。
彼の迫力あるプレイに、部員たちは一斉に声援を送った。
見事に優勝を果たした拳志の姿に、大吾は感動し、「俺もあんな風になりたい!」と強く思った。
大会が終わった後、部員たちは軽く対戦会を開くことにした。
わいわいとした雰囲気の中対戦が始まり、部員たちの実力を確認し合う。
大吾もその中に参加するが初心者ということもあり3年の先輩「岩城 権蔵」に簡単な操作方法を教えてもらう。
自分だけは真剣勝負ができないが、他の部員と楽しい時間を過ごした。
勝ち負けにこだわるというよりは、みんなで楽しむことを重視している雰囲気が心地良かった。
対戦が終わった後、大吾は自宅でゲームをするための設備について相談した。
先輩たちの意見を聞くと、やはりパソコンでプレイするのがベストだとアドバイスをもらった。
大吾はその話を真剣に受け止め、パソコンを用意することを決意した。
帰宅後、両親にそのことを伝えると、二人とも快く了承してくれた。
家族の理解を得たことで、大吾はますます気持ちが高まった。
「やっぱり、パソコンでゲームをするのが一番だよね!」
とワクワクしながら、オンラインで注文を済ませた。
砕けた思いを再び拳に アソビマン @asobiman
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