森の主討伐依頼

 ディランは係員に指示を出した後、アランとレンブラントの方を向き直りながら言った。


「今回の討伐には、うちでも屈指のパーティー『オンテンバール』に声をかけよう。リーダーで戦士のエデル、魔法使いのベルタ、斥候のノアだ。彼らなら間違いなく頼りになるだろう。」


 ディランがそう言ってパーティーを呼び出すと、すぐに三人の姿が現れた。リーダーであるエデルが一歩前に出て、ディランに向かって軽く頭を下げた。


「ディラン、俺たちをわざわざ呼んだってことは、何か大事な仕事だな。何用だ?」


 ディランはエデルの言葉に頷き、事情を手短に説明した。


「ストロメンドの森で魔獣が現れた。普段は人を襲わないはずの森の主だが、今回は違った。襲撃されたのはこのアランだ。場所は村から農場へ向かう途中のけもの道。状況を調査し、討伐が可能なら対応してほしい。」


 エデルは真剣な表情で頷いた。


「了解だ。ベルタ、ノア、準備を整えろ。出発はすぐだ。」


 ベルタは朗らかに「任せて!」と返事をし、ノアは無言で小さく頷いた。二人はそれぞれの持ち場を確認しながら、迅速に出発の準備を整え始めた。エデルも満足げに彼らの様子を確認すると、ディランに向き直った。


 ディランはエデルの素早い反応を見て満足げに頷いたが、ふとアランの方に視線を移した。


「アラン、君は一度魔獣と遭遇して撃退している。現場に同行して、彼らの手助けをしてくれるか?」


 エデルもアランに視線を向けて、軽く頷きながら言った。


「君が一度追い払ったのなら、同行してもらえると助かる。よろしく頼む。」


 アランは一瞬考えた後、すぐに頷いて答えた。


「分かりました。お供します。」


 エデルはアランの返事を聞くと、軽く微笑んで言った。


「助かるよ、アラン。君の協力が討伐の成功につながるだろう。」


 ベルタも笑顔で付け加えた。


「あなたが来てくれるなんて心強いわ!」


 ノアは静かにアランを一瞥して、無言で準備を続けているが、その動きには明らかに信頼の意が感じられたーー気がする


「それではよろしく頼む。良い報告を期待してるよ。」


 そう言い残し、ディランはギルドの奥へと戻っていった。


 レンブラントはアランたちが出発の準備を整えているのを見て、静かに近づいてきた。


 ディランは最後に「それではよろしく頼む。良い報告を期待しているよ」と言い残し、ギルドの奥へと戻っていった。


 その時、レンブラントがアランたちのもとに静かに近づいてきた。


「アラン、そしてオンテンバールの皆さん、今回の件は非常に重要だ。フリシータと周辺の村々にとって、魔獣の脅威を取り除くことは最優先事項だ。そこで、追加の報酬を用意した。討伐が成功した際には、特別なボーナスを出すつもりだ。君たちにはその価値がある。」


 エデルはレンブラントの言葉に少し驚いた表情を見せたが、すぐに頷いた。


「ありがたいお話です。私たちは全力で任務を遂行しますが、報酬が増えるのは士気が上がりますね。」


 ベルタも朗らかに笑って「やる気がさらに出てきたわ!」と答え、ノアも微かに微笑んだ。


 アランはレンブラントに感謝の意を伝えつつ、任務への責任感が一層高まった。

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