忠犬は噛む
ヤマノカジ
帰り道
仕事を終え、帰路に着く。
変わった様子が微塵もないこの世界。
退屈であり空虚だ。
これといった打ち込めるものもなく感情なんてないただの草花のように誰かの景色の一部になっている。
明日も同じような毎日の繰り返し
そう半ば諦めながら悲観していた。
ただ前を見つめ少し暗い道を歩き続ける。
横断歩道が赤く光り、歩みを止まる。
緑に変わったのを感覚的に受け取り
下げていた顔を震え上がらせ上げる。
上げた時だった。
視界の端に
「faithful dog」
という知らない看板を見た。
昨日まだなかったよな…?俺が知らなかっただけか…?そんなことないよな…
なんて思いながら俺は無意識的にその看板の方に足を向けていた。
機械的に変わり続ける横断歩道を後にし看板の近くへ擦り寄る。
たてかけられた少しボロい看板だ。
遠くからは見えなかった文字が近づくことによって鮮明に見えた。
「 faithful dog
9月3日14時
忠犬達よ反旗を翻せ 」
なんだこれ?変なもんだな。
珍しいもんだなぁと俺は視界の端にその看板を残しながら再び帰路に着いた。
9月3日14時、明日のことだが、何が起こるのか。
まぁ俺にとっては関係ないことだ。
少し意味のないことに脳のcpuをさいてしまったかかもしれない。
マンションの扉を開き、帰ってきた。
綺麗でも汚いわけでもない部屋
ローテーブルにスマホとコンビニのサラダを広げて晩飯を済ます。
1人だけ。母親の手が恋しい。
自由なんてないのかな。
なんて考えながら1日を終わらす準備を加速させた。
忠犬は噛む ヤマノカジ @yAMaDied
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