龍宮寺家のお嬢様
雫
第1話
時は13年前
「おぎゃぁ、おぎゃぁ!」と赤ん坊の鳴き声が屋敷中に広まる。
それと共に、張り詰めた雰囲気がなくなり、屋敷の雰囲気が明るくなる。
そう、この時生まれた赤ん坊がこの物語の主人公、世界にさえ影響を与える龍宮寺家の一人娘、龍宮寺蒼葉である。
まずは、龍宮寺家についてお話ししよう。
龍宮寺家は、昔から続く超がつくほどの名家である。その権力は日本だけでなく世界にも影響を与え、世界中がその動向を窺っていると言っても過言ではない。
何より、龍宮寺家の当主の筋には、他とは違うものを持っていた。
それが、美貌。透けるようなそれでいて、健康そうに見えるきれいな肌。神秘的な白髪。宝石のような碧眼。それが彼らの持つ、他には絶対にないもの。
代々この髪の子が生まれた時、その子が当主となり家をおさめてきた。
もちろん使用人の数も常軌を逸している。
何百人もの使用人たちが、料理を作り、掃除をし、洗濯をしてこの家は回っている。
彼らの忠誠は常に龍宮寺家の当主一族へ。彼らは自分たちを蛇と呼ぶ。
説明はこれくらいだ。これだけではなかなかわからないだろう。だが、物語を読み進めてほしい。だんだんとわかってくるはずだ。
龍宮寺蒼葉という、少女の波乱に満ちた人生が。
さあ、物語の始まりだ。
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龍宮寺家のお嬢様 雫 @shizukuwarabi
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