第3話 アホアホアホ

 世界は、ひっくり返すものだ。

 意味が分かるだろうか?

 要は、思い通りに事を運ばせないことが大事、ということである。


「は? 説明不足ですよ? アホ先輩」


 そして、後輩の少女にそうつっこまれた。


「説明不足?」

「ええ。説明が足りません」

「アホだから、分かりやすい説明を要求してくるのだろう? アホに合わせて、説明をするほど、俺はアホじゃない」

「先輩こそ、アホだから上手く説明できていないんでしょ。アホだから、アホだから」

「は?」

「は?」


 俺と後輩は睨み合った。

 結論が出た。


「お前はアホだ」

「先輩はアホだ」


 人類ほとんどアホだ。

 アホが蔓延る、幸せな世界だった。

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酔いは、理解不能の小説を呼び起こす。 うめ生徒 @umeseito

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