第2話 凡才どもへ

 ――劣っていることさえもが、誇りに思えるようになってきた。


 運動能力、最下位。

 勉強能力、最下位。

 コミュニケーション能力、皆無。

 特技、ゼロ。


 俺は、周囲からたぐいまれなるダメ人間と呼ばれている男だ。

 世の中、バカが多いことがうかがえる。


「学校、消えてくれないかなー」


 言動もクズだって、よく言われる。


「初セッ×スは、3Pでやりたいぜ」


 俺はつまるところ、ブレーキ機能がついていないのである。


 思ったことは、そのまま口に出す。


 口に出して良いこと、出したらいけないことの取捨選択をスキップする。


 たぶん、俺は天才なのだと思う。


「だって、他と違うと言われているからな。凡才では無い、ということだろう。凡才でないのなら、天才で間違いないはずだ」


 我ながら、完璧な理論であった。

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