デバッガーである俺がゲームの中に入ってしまった

人ですよ

ep.0

起きろ!

鼓膜が破れそうな勢いで耳に入ってくる怒号。

授業中に寝たからってそんな怒らなくてもいいじゃないか


「何寝てんだ!今は授業中だぞバカ野郎」

「すみません」

「謝罪はいい。問題解け。」

「xです」

「...佐藤、放課後補習な。」

「えっ」


――――放課後


「「「さようなら」」」

自分以外のみんなが教室を出ていく。

今から補習が始まるというのを聞きつけた他のクラスのやつらが

廊下に集まりこっちを見てくる。

が、俺は今までそこまで補習が長く続いたことはない。


数十分したころ、

先生に「お前はだめだ。諦めろ」と言われ、

俺は教室を出ることができた。


ピロン♪

スマホの通知音。友達が連絡をくれたみたいだ。

「補習終わった?」

「うん」

「明日って暇?」

「うん。なんで?」

「新作のゲームができたんだ。今回のはすごいぞ。世界獲れる。」

「おーおめでとう」

「それでな、実はまだいくつかバグが残されてて」

ブツッ


それを見つけろって?やだね。通知は無視しとこう


ピロン♪ピロン♪ピロン♪

「そのバグを見つけてほしいんだ」

「おい逃げんな」

「明日そっち行くね」




「起きろ!」

今日は土曜で家のベッドで寝てるはず...

「おいトモ!」

最悪だ。この呼び方をするのはあいつしかいない。

起きたくない...

「お前のXアカウント、クラスLINEに晒すぞ!」

「待って!それだけは!」

あ...反射的に...

「おはよう。寝起きだろ?コーヒーでも飲む?」

「...コーヒー飲ますの、ただの親切じゃないだろ」

「おー流石、鋭いね。」

目を覚まさせる気だ。絶対飲まねえぞ。

「言っとくけど俺は飲まな」

見せつけられたスマホ画面に映っているのは...


[佐藤のXアカウントは「Satomo119」だよ」>


「このボタン、押しちゃってもいいの?」

「...」

されるがままに椅子に座る俺。

「じゃあ行くよ!ゲームスタート!」

その瞬間、まだ昼なのに部屋が暗くなる。

どんどん暗くなっていき、自分の手すら見えなくなってしまった。






うっ眩しい...いきなり明るくなった目の前。

STARTと書かれたボタンのようなものが宙を浮いている。

これはなんだ?意味が分からなさ過ぎて頭がパンクしそうだが、

ボタンなんだから押すしかない。


[START]

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デバッガーである俺がゲームの中に入ってしまった 人ですよ @human_64

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