第6話
「ボス!大変な事になりました!」
ここはスラムの奥地、スラムに似つかわしくない、しっかりとした材料で作られた家があった。
「どうした?」
そう返事をしたのは、ここのファミリーのボス。名を、アイシャと言う。外に置いたソファに座りながら、ワインを嗜んでいた。
「スラムの奴らがここを目指してます!幹部のクダルさんも一緒に混ざってました!」
周りの下っ端も、手を止めて、その会話に耳を傾けている。アイシャも、クダルが混ざっている事で、少し戸惑っているようだ。
「どういう事だ?クダルの奴は強い奴にしか従わないはず…アタシより強いやつはこの辺りに居ないはずだよな?お前ら」
"はい!ボス!"
「クダルがスラムの奴らを連れてくる理由はなんだ?何がどうなってるんだ?…」
アイシャは下っ端に問いかける。
「クダルが率いてるわけじゃねえんだよな?その率いてるやつは誰だ?」
「クダルさんの支配地域に居た、若い男みたいです!クダルさんもその男に従ってるようです!ただ、情報はこれくらいです!」
「なるほど…」
アイシャは考えた。
「ちょっとわからねえから、シンを呼び寄せろ。」
「幹部の"真剣"のシンさんですね!呼んできます!」
そう言って、下っ端は走って言った。
「このファミリーの掟は何だ?そう強さだ。何故アタシがボスなのかわかるか?そう、アタシが1番強いからだ。アタシは魔法が使える。これが何を意味するかわかるよな?」
アイシャは、周りの下っ端に落ち着いた声で話しかける。
「他の奴らは、歓迎の準備をしろ。何、この最強のアタシが居るんだ。不安に思う事なんて何もねえよ。」
「ボス!了解しました!」
周りに居た下っ端は、雲子を散るように走り去っていった。アイシャは1人になった。そして小声で呟いた。
「ちょっとどうしようか…クダルが従っているのはヤバい。」
「クダルは強さでしか人を判断しねえからな…もし、シンより強い奴が来たらどうしよう…」
アイシャは頭を抱えた。
「ここまで上手く護摩化してきたが、そろそろ潮時か?いや、シンなら大丈夫だ。シンなら大丈夫。大丈夫。大丈夫。」
「だが、もしシンが負けたらどうする?そしたらアタシが出るしかないよな?でもだ、クダルが従っていて、シンが負けた相手だぞ?無理じゃね?」
アイシャは呟きながら家に入った。
「どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。」
アイシャは震えながら布団に包まった。
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