第3話茶園先生と
何かと仲の良い、水沢と茶園。
2人は歩んできた道は違えども、頭の作りは似ていた。
その日は、2人で居酒屋で飲んでいた。
目の前に味の刺し身がある。
2人でそれをツマミにビールを飲んでいた。
水沢がハイライトに火をつける。茶園は、加熱式たばこ。
幸せのひと時だ。
そこに、知っている事のある声が聴こえてきた。
一柳と沖山だった。
2人は談笑していた。しかし、若者は若者の飲み方があるのだろうから、声は掛けなかった。
しばらくすると、「こんばんは。お疲れ様です」
と、一柳達が挨拶に来た。彼らも、水沢達に気付いていたようだった。
4人で飲み始めた。
茶園先生は、若い衆に人気のある理事であり、母体の医師だ。
先生は熱く障がい者福祉について語っていた。
それから、プライベートの話に。沖山が尾形の事を狙っているそうだ。
尾形は今年の新人。
明日は、夜勤で一緒だ。
尾形の話しを聞こうではないか。
翌日、夕方。夜勤入り。
夜勤者は、水沢、一柳、尾形だった。
夜のオムツ交換、ベッドへの移乗、などだ。
1人高熱を出し、3点クリーニングで様子を見た。
熱は徐々に引いていく。
尾形は初めての夜勤なので、一柳が指導していた。
3時間交代で、仮眠を取る。
朝の6時半。
朝食の準備。
早出が出てきた。三嶋と新見だった。
「お疲れ様、水沢君」
「あっ、おはよ、三嶋ちゃん」
「夜勤どうどった?」
「米盛さんが、熱出しちゃって。朝は7度台に落ち着いたけど、看護師に報告しなきゃ。だから、米盛さんは、食堂では無くて部屋で朝ごはん食べてもらうから」
「うん、分かった」
9時。
朝の引き継ぎとミーティングで、それが終わると夜勤組は帰れる。
尾形と一柳を誘って、水沢は24時間オープンの寿司屋に連れて行った。
ビールを飲んで、ゆっくり寝ようと言う考えだ。
3人でビールを飲みながら、寿司を食べた。
尾形に一柳は惚れている。分かる。それが伝わってくる。
しかし、上手くいかない気がした。
恋愛の先輩である水沢から言えば、一柳は遊び癖がある。女は手当たり次第。
だから、尾形が可哀想だ。
だが、水沢は黙って観察する事にした。
1時間ほどで解散し、水沢は自宅でシャワーを浴びて、ベッドに横になった。
泥の様に眠った。
起きたのは、昼の2時。パチンコを打った。
その日は、絶好調で500円で4万円の勝ち。
その金で、家族で焼き肉を食べに行った。嫁さん、息子は喜んだ。
明日は、休み。
何をしようか?と、考えていた。
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