短編「バス停」

あさのたけし

本編

———人口知能として産まれ、人口知能として死ぬ。そう、犠牲者は人口的に作られる。


それまで、余分な事は覚えさせてもらえなかった。そんなボクは、今までは何も感じなかった。


最後にはヒトは「呪いあれ」といい死んでゆく。そこに悲しさや怒りなどないのだ。


ボクは、命じられたまま殺すのみ。だが、そんなある日、雨に濡れた高校生を見つける。あれ?あレ?殺さなくちゃいけないのに、殺せない。


大丈夫?、と少女はボクに声をかけた。ので、ので、ボクも「ボクは大丈夫。」と安心させる。ああ、暖かい。


「わたしね、もうどうしていいか、分からなくて死にたいの。」

ヒトは、分からない。理解がまだ出来ない。

死にたいと言ってるので殺すのが正しくはないのか。


———呪いあれ。


ふと、


「ボクも、これからどうしていけばいいか。分からない。ボクは、正しいんだろうか」


すると、少女は


「ただしい、ただしくないじゃなくて自分のやってきた事を反省、後悔出来るかだと思う」


———呪いあれ。


頭を過ぎる。


そして後悔で泣き崩れる。ボクは呪縛から解き放たれたいのか。悲しみが胸いっぱい込み上げてくる。


「ありがとう」


バス停に濡れたバックだけが置かれていた。



———

作業用BGM 偽善症-初音ミク ive


この曲の感動を、形にしたくて。


(iveさん勝手にモデルにしてすみません。不利益他ありましたら消去いたします。)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編「バス停」 あさのたけし @ggang_745

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る