逆境があってこそ、燃え上がる逆転劇です！

英雄譚のスタートは、不遇な状況から入るお約束。

物語スタートはビザンツ皇帝マヌエル１世とのいざこざなので、１１７０年くらい。

第三回十字軍は１１８９年からですから、そのもう少し前ですね。

もちろん、第四回十字軍まで描きますから、実に三十数年分のお話になります。

スタート時点で六十過ぎの爺様ですが、そこから四十年近く活躍するのですから、マジで妖怪です、エンリコ＝ダンドロは。

ローマ帝国の東西分裂以降、西が滅んで東が残ったって感じですからね。

西の方の帝冠も、最初はフランク王国、次いで神聖ローマ帝国へと引き継がれ、形としてはそれが西ローマですけど、もはや別物。

東ローマ、ビザンツ帝国も何度も王朝交代して、血統もごちゃごちゃで、こちらもまた変質しています。


なので、ヴェネツィアこそローマの正統な後継であると、ヴェネツィア市民の中には考えている者もいます。

しかも“共和制”ですから、ある意味で本当にローマの継承者なんです、ヴェネツィアは。

エンリコはめちゃくちゃ我慢強くて、耐える事、待つ事が得意なタイプです。

もちろん、強烈な反撃も用意しますけどね。

若いと言っても、六十過ぎてますけどね。

この人、活躍し出したのがほんと遅くて、大器晩成って言葉しか浮かばないくらいです。

第四回十字軍のときは、九十六歳の超高齢で、もはや妖怪レベルの化物ですよ。



誤字報告感謝！

修正しときました！