第龍話 意識の中で

〈豆知識〉

今回の話数の読みに使った龍(読み方:よん)は、中国での人名とかで使う読み方らしい。

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意識が途絶えた。

はずだった。

なのに、こうして物事を考えられている。

不思議な感覚だ。

視界は真っ暗だけど。

ただ、目を閉じている感覚もある。

つまり、今の真っ暗な状況は、打開できるかもしれない。

目を開けてみる。

俺は倒れているようだ。

立ってみることにする。

すると、真っ暗ではあるものの、ぼんやりと周りが見えることに気がついた。

良かったと思うものの、まだ不安は拭えない。

俺の現状と俺の意識が途絶えた理由についてだ。

赤ちゃんだったから、あまり良く覚えていないけれど、たった一度だけ、同じような事で気を失った事がある。前世の記憶を取り戻したときだ。

でも、その時はこんなことはなかった。

俺の考えが正しければ、「ミント・シトレス」と

「レオ・バイド」は俺の…俺の…なんだ?

形容しづらい。

とにかく、前世の前世とかなのだと思う。

きっと、魂とかは一緒だと思うし、前の前の俺と言えるかな。

そういや、輪廻転生っていうのは、現代でもあるとはずだが、それでは確か、すごい徳を積んだヤツしか人間になれなかったはずだ。三回も人間になるなんて、俺の魂はどんな徳を積んでたんだ?

俺はこの真っ暗な世界を歩きながらそう考える。

すると、足元に何かがあることを発見した。

それは光の玉だった。

この暗い世界には少し相応しくない感じ。

拾おうとすると、どこかへ消えてしまった。

辺りを見渡すと、少し遠い場所に移動していた。

少し驚いたが、ここは俺の意識の中だから、これくらい不思議な事が起こっても不思議じゃないと思い、拾うためにそちらの方へ移動することにした。

またどっかいった。

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それを10回くらい繰り返して、やっと拾うことができた。

一体これは何だったのだろう。

そう思い、この光の玉を見まくる。

ガシャガシャみたいにパカッと開くわけではなさそうだ。

強く力を入れてみると、光を発し始めたことに気がつく。


「なんだ⁉」


今度はしっかりと驚きつつ、声を発せることに気がつく。

声出せたのか。

光の玉はそのまま手から飛び出し、浮かび上がっていった。


「なんなんだ⁉」


俺はずっと驚きながら、その動向を見守る。

その光とても強くなり、そのまま何も見えなくなる。

俺は耐えきれなくなり、目を閉じた。

もう大丈夫だろうと思い、目を開けた俺は、次に写った光景に唖然とした。










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トラックに轢かれて死んだら、ダンジョンがある日本に転生した。そうしたら異世界人(二人)の記憶があるんだが 叩兵 @tatakihei47172454

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