第10話疑わしい
私は放課後に友人の部活が終わるのを図書室で待つことにした。
友人の岩崎の着替えの時間も含んだ体育館を出てくる頃を見計らって、図書室を後にして、体育館へと向かった。
私が体育館に到着した頃には、扉は開けられ、部活を終えた数人の女子生徒と擦れ違う。
「河合?あぁーまた明日な〜」
「おーぅ、また明日な!」
岩崎と同じ女子バスケ部に所属するクラスメイトの梶井が気付き、挨拶をした。
私が梶井に片手を振っていると、背後から声を掛けられた。
「あれ?和巴、もう帰ったんじゃなかったの?」
「あんたと話したいことが……」
「瑠美のこと……だよね?」
「そう……」
「分かった。ヨンちゃん、一緒に帰れない。今日は一人で帰って欲しい……良いかな?」
「はい……岩崎さん」
岩崎が私に短い返答を返し、隣にいた彼女より低い身長の女子生徒に約束を断る。
ヨンちゃんと呼ばれた女子生徒は聞き分けよく、校舎へと駆けて行く。
私は岩崎をファストフードに誘い、ファストフードで児島瑠美について話し込んだ。
「あんたさぁ、瑠美が最近変なのって、心当たりってある?」
「サッパリさぁ。あの真面目な瑠美がセンセーに何も入れずに欠席したり、遅刻なんておかしいよね。授業中もうわの空って感じなんでしょ?彼氏が出来たってのでも無さそうだしね……」
「あんたにも言わないんか……安野とは何とも無いんだよな、瑠美?」
「それは私には何とも……
岩崎がフライドポテトを摘み、口に放り込み、紙コップのシェイクをストローでずずっと飲んだ。
「聞いてない、それ……はぁぁー、私らに内緒って瑠美、酷いよぅ。瑠美の親と親しいわけじゃないしな〜もうどうしたらいいのぅー……」
「だねぇ〜和巴ぁ。
「うぅ〜ん……なるべく接触したくない、彼女にはねー。明日、瑠美を尾行する?」
「瑠美が明日になっても打ち明けてくれなかったら、それで脅すってのもアリ……かも。食べ終わったら、私ん家に来ない?」
「親、居る?」
「娘をほっぽって、夜遊びするから平気だよ」
「そう……」
私と岩崎は食べ終わり、ファストフードを後にし、手を繋ぎながら岩崎家へと歩きだした。
私は彼女と友人でいたい。
瑠美……今、どうしてるかな……?
私は岩崎家で、岩崎と裸で身体を重ね、腕に抱かれ、お互いの愛を確かめ合った。
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