第9話断られるなんて
水曜日。
私は通学通勤ラッシュで混み合う電車に揺られ、登校していた。
佐伯に愛撫でされたいが余りに、佐伯と逢える時間帯の電車に乗車した。
彼女に気付かれることを期待し、車内の臭いに耐える私だった。
「瑠美ちゃん、おはよう。触ってもイイかしら?」
馴染みのある柔軟剤と体臭が鼻腔に届き、期待した人物の声が背後で左耳に囁かれた。
「おはようございます……触ってください、紀香さぁんっ……」
「朝から瑠美ちゃんと逢えるなんて、嬉しいわ。抑えられなかったら、ごめんね」
「紀香ぁ、抑えずにヤりたいように……シてぇ」
「後悔しても知らないわよ、瑠美ちゃん……」
私は佐伯にスカートの上からお尻を撫でられ、電車内で漏らしてはいけない声を漏らす。
電車が次に停車する駅に到着するまでの時間に、彼女からお尻をスカートの上から撫でられ、スカートの中に腕を忍ばれショーツ越しでも指先ではない大人の玩具でも感じたことのない硬い感触が股にきて、身体が震えた。
車内で次に停車する駅の駅名がアナウンスされた時機に、触られ慣れた彼女の指がショーツをずらされた露わになった部分を撫でワレメを破り膣内に侵入した。
私は佐伯の指が膣内を掻き回し、絶頂かされている状況に快感と見知らぬ大勢の他人らに淫らに絶頂っている姿を晒している羞恥心が混ざり合い、昂揚していた。
私は佐伯紀香に電車内で絶頂かされる痴漢プレイに不快感も抱かずに、ただただ嵌まりそうだった。
私は両脚を震わせながら、屈み込みそうになる直前に彼女の腕を掴み、「次の駅で降りてぇ……続きぃ、シてぇ」と瞳を潤ませ、せがんだ。
「遅刻するわよ、瑠美ちゃん。良いの?」
「紀香ぁ……私を気持ちよくさせてぇよ〜ぅ。一度くらい、遅刻したって平気だからぁ」
「瑠美ちゃんがそういうなら。愉しもうね、瑠美ちゃん」
「うぅっ……うん、紀香ぁ」
私は佐伯と同じ駅で降車し、女子トイレへと向かった。
個室に二人で入り、私は便器の便座に腰を下ろし、スカートの裾を掴み持ち上げた。
「紀香ぁ、続きぃシて。ねぇ、早くぅ〜」
「分かったわ」
佐伯が私のぐしょぐしょに濡れたショーツに片腕を伸ばす。
私は佐伯の両腕に抱きしめられながら、紀香と呼び続けた。
私は……もう高校に登校する気になれなかった。
「紀香ぁ、今からラブホに——」
「駄目よ、瑠美ちゃん……遅刻だけど、授業は受けなきゃ。行きなさい、高校に」
私が勢いに任せ、ラブホテルに誘ってみると、佐伯は断った。
「えっ?紀香さん……私を痴漢してきた日、休ませたよね?なっ……なんで、なんで駄目なのっ!お願いっラブホにっ——」
「授業は受けてきて、瑠美ちゃん。私からのお願い。いつもの時間からなら瑠美ちゃんと長く居れる。高校に行って、瑠美ちゃん」
「紀香さんだけだよね、満足したの?私はまだ紀香さんとっ——」
「瑠美ちゃん、お願いだから高校に行って。私は仕事に行くわ。じゃあね……」
「ねぇ、ちょっ——紀香さぁーんッッ!紀香ぁー…………さぁんっ。なぁ……なぁっんっでぇ……!」
私は出てこうとした彼女の片腕の手首を掴んで引き留めようとしたが、彼女に振り払われ、女子トイレの個室に取り残された。
私の悲痛な叫びは佐伯紀香の脚を止められず、届かなかった。
私は個室で啜り泣き続けた。
私は泣き止むと、佐伯紀香に棄てられることを恐れ、遅めの登校をした。
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