第3話苦痛は喜ばない

 翌日の木曜日。

 私は昨日と同じ時刻に自宅を出て、登校した。

 佐伯は今日も駅にも電車内でも姿を見掛けない。

 佐伯には家庭があり、スケジュールを容易に変更は出来ない。

 昨日とさして変わらない一日が過ぎて、一人で下校した。

 教師達からはお前らしくないじゃないかと叱られ、碌に睡眠を取れていない頭が鈍い痛みに襲われており早く終わらないかな、と思ってしまった。

 これから赴く目的地もさして、行きたいとは思わない。

 佐伯が昨日渡してきた五千円は、交通費も含めた報酬だ。

 一昨日、昨日と佐伯に連れてかれたラブホに向かっていた。


 私は佐伯が借りた一室に脚を踏み入れると、笑顔を浮かべた佐伯が両腕を横に広げ、ダブルベッドの縁で腰掛けていた。

「今日も愉しもうね、瑠美ちゃん!愛してるのハグをしましょ、さっさっ瑠美ちゃん!」

「私は楽しんでないですよ……アナタとハグなんて嫌です……さっさと帰りたいんです、私は」

「そう……瑠美ちゃん、二日も私に絶頂かされ、可愛い声で愉しそうに喘いでたじゃない。素直に来てるじゃない、此処に。そんなこと言って、身体は素直に反応してるじゃない」

「……はぁ」

 彼女の頭が楽しそうに左右に揺れ、両耳の耳たぶに付けている真珠のピアスも揺れる。

 彼女に隣に座るように促され、叩いていたベッドの位置に恐る恐る腰を下ろした私。

 私は彼女が伸ばしねっとりとした撫で方で肩を撫でる片腕に身体が強張った。

「旦那がさぁ、私とシてくれないのよね……相変わらず。瑠美ちゃんはどう思うかしら?」

「さっさあぁ……私には、何とも」

 彼女が空いたもう片方の腕で私の胸をブラウスの上から揉んで乳頭の周りを撫でだした。

「瑠美ちゃんまで、旦那や子供達と同じように冷たくするのっ……!酷いわ、瑠美ちゃん……瑠美ちゃん瑠美ちゃん、瑠美ちゃん瑠美ちゃん瑠美ちゃん!んん〜っ……ぷはぁ、はぁはぁ……やっぱり瑠美ちゃんの唇はイイわぁ〜!もっとぅっ、もっともっともっと気持ち良くなりたいぃっっ!瑠美ちゃんも気持ち良くなりたいでしょっっ?」

 私は彼女に肩を掴まれ、胸を揉まれながら強引に唇を塞がれ、唇と唇が重ねられ、キスをされ、そのままベッドに押し倒された。

 私は彼女の生温かい吐息が顔に掛かり、顔を顰めるがお構いもせずに舌を口内に侵入させ、私の舌に自身の舌を絡ませ、彼女の唾液が流れ込み、呼吸が苦しくなり、飲み込んでしまった。

 彼女がキスに満足し、顔を離すと身体を逆さに動かし、スカートを穿いたままで脚を開き顔を挟んでショーツ越しでも汚い部分を顔に押し当て、乗ってきた。

 ふがふがぁっ、と呼吸の出来ない私はショーツを脱がされずにワレメを彼女に弄られ、呼吸をしようと暴れるが大人の体重が顔にのし掛かっていれば抵抗も虚しく酸欠になっていく。

 私は必死に彼女の片脚の膝辺りを叩く。

 ショーツが濡れだした頃に、顔にのし掛かっていた重さがなくなり、呼吸が出来るようになる。

 私は息も絶え絶えに彼女を非難した。

「ごめんね。瑠美ちゃんが悦ぶと思って。苦しかったね、ごめんごめん」

 悪びれた様子もみせずに謝る彼女。

「呼吸出来ないのに喜べるなんて、そんなわけないでしょ!ほんと最低!」

「まあまあ、瑠美ちゃんそんな怒らないでよ。やったことも言わなかったのもほんと悪いと思ってるわ。気を取り直して、続きをしましょ」

 彼女は私の濡れたショーツを舐めて、ショーツをずらしワレメを広げ、膣内に指を挿れ、体液が溢れるのを舐めて飲んでを繰り返す。

 私は聞きたくもない自身の喘ぎ声を聞きながら、絶頂った。

 彼女がベッドを離れ、自身の鞄から大人の玩具を持って戻ってきて、ショーツを脱がせずにショーツ越しで激しい振動をさせた大人の玩具の先端を押し当てた。

 私は慣れずに身体が小刻みに痙攣し、悲鳴と喘ぎ声が混ざり合う叫びをあげた。

 穿いた帰れなくなったショーツは彼女に脱がされ、ブラウスやスカートも脱がされ、ブラジャーとソックスも剥がされ、一糸纏わぬあられもない全裸にされた私。

 私は全裸で彼女の太腿に頭を載せ、膝枕をされ、強要された彼女の乳頭を噛み、胸を吸った。

「瑠美ちゃんが赤ちゃんみたいで可愛いわね……はぁあぁ、瑠美ちゃんが私と旦那の娘に産まれてきてくれたらどれだけよかったか。よぉ〜ちよち、可愛いよ瑠美ちゃん!もっと吸ってイイのよ、私の胸」

 彼女は私に自身の胸を吸わせて、私のぐしょぐしょになっているワレメを弄り続ける。


 彼女が満足して、私を四つん這いにさして、鞄の方に向かった。

 ベッドに戻ってきた彼女は私に指示をだした。

「瑠美ちゃん、私の方を見ずに頭を下げてお尻を上げてね」

「なっ何……ちょっ——はひぃぃっっ!痛いぃっっちょっ、止めぇ……痛ぁぃ、痛いぃ……止めぇ——」

 私は彼女の指示を受け、頭をベッドに触れ、お尻を恐る恐る上げると空気を裂くような物音がして、お尻に激痛が走り、何度も同じ激痛がお尻を襲い、悲痛な悲鳴を上げ続けた。

 私は彼女に鞭でお尻を打たれ続けた。

 私は彼女に鞭で打たれた後に、彼女に低く四つん這いをさせられ、躾のひとつであるお尻を叩かれた。


 私は両親から躾としてお尻を叩かれたことがなく、初めての経験だった。


 私がラブホを出られたのが、19時過ぎだった。

 制服は汚され続け、身体は彼女の好き放題に玩具のように弄ばれ、痛みを身体に刻まれ、お尻は赤く腫れ上がっているはずだ。

 座るのに一苦労するのが解る痛みがお尻に刻まれた。


 私は苦痛を与えられて悦ぶ変態じゃないのに、容赦なく苦痛を刻まれ、限界にきている。


 私は苦痛を刻まれ、刑を執行される犯罪者なのかと思考が狂いだしそうだった。

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