第8話 初めての大会決勝出場
大会決勝戦の当日、優奈と小夏は大会直前に作戦を確認している。
二人の作戦はまず高台に登って敵を狙撃しつつ、近くに来た敵は小夏がこっそりと襲うというものだ。
フィールドは予選より大きく、廃墟の村や森、山が存在している。
時間制限は5時間。ゲーム内で一日分の時間である。
「私たちのスポーン位置は山の近くだよ。ラッキーだね!」
「さて、始まりました~! 決勝戦です。優勝者は誰になるのでしょうか」
決勝開始と同時に配信が開始される。
「まずは山の上に登っちゃおう」
二人は山の上の開けた場所に出た。
「こっからならマップ全体がのぞけるね!」
山の上から、村の廃墟の屋根の上に隠れているチームを発見した。
「弱点特攻発動」
ユニークスキルはMPを使わなくていいが、詠唱は必要なので優奈は詠唱をしながら標的を狙う。
「ファーストブラッドです!頭に矢が刺さりました。うおーっと!また一人倒されました。いったいどこから狙われていたのでしょうか」
実況の声が配信を流れる。
「さっそく1チーム倒したよ!」
「ユナさすがだね!その調子で残りを倒しちゃおっか」
まだ山が安全地帯の中なので場所を変えずに倒していく。
残りチームは20となり全員の居場所が一回表示される。
「もうここにいるのは危ないから移動しちゃおっか」
山を下っていると森の奥のほうで戦っているチームが見えた。
「なっつ、倒しに行こう。最初に突撃してくれたら私が裏から援護射撃するね」
「りょうかい!」
そういい小夏は走っていった。
(相手はまだ私たちのことに気づいてないな)
遠くから弓の準備をしていると、小夏がその戦場に飛び出して一気に漁夫を狙っているのが見えた。
(あぶない!)
戦場のまわりを見ていると、弓を構えている男がいた。
優奈は急いで矢を放ち、小夏に向かって飛んできている矢に当て、軌道をそらした。
その矢は敵チームへあたり死んで、残りも小夏が倒すことができた。
「なっつ!一回引くよ」
二人は走って森を出てすぐにある廃墟の家の中に入る。
「さっき戦っていた時に別チームも漁夫を狙っていたから一回ここで身を潜めよう」
「わかった」
廃墟の中の窓からまわりを索敵していた時、小夏に向かって矢が飛んできた。
「うわぁぁぁっ、ユナ逃げて!」
そういい小夏はやられてしまった。
「だれだ!」
「俺だよ、この前の隠しダンジョンの」
廃墟の屋根から一人の男が飛び降りてきた。
「また不意打ちするなんて性格が悪いね、あんた一人だけ?」
「ああそうだよ、お前の狙撃のせいで仲間がやられたんでな」
(私が狙った敵はチームごと倒したはずなんだけどなー)
「じゃあ正々堂々と決着をつけましょうよ」
もう日が沈んでいて暗くなっている廃墟の中で戦闘を始める。
男の武器は小夏と同じ短剣だったので、小夏と練習したときと同じように戦うことができた。
「正面対決だとあんまり強くないのね」
優奈は攻撃をかわしながら矢を狙うがその矢も回避されてしまっていた。
(頭にさえ当てれば一撃で倒せるはず)
二人は息を切らしながら対峙する。
「俺をてこずらせるとはなかなかだな。でも俺には秘策があるんだよ、行け‼」
そう男が言うと優奈の後ろから弓を構えた男が出てきた。
(あの男!さっきも小夏のことねらってたやつだ!)
優奈はぎりぎりで矢をかわし、優奈の矢を放つ。
弓を構えた男は倒すことができたが、その一瞬で短剣の男が優奈を刺した。
「くそ...やっぱそういうことだったんだ...でも相打ちになるんじゃないかな」
「なんだと...」
優奈は刺される直前に矢じりで男を刺していた。
優奈は最後に相打ちで終わり、決勝戦の結果は8位となった。
しかし、男たちはキルの差で二人に負け9位となったようだ。
「なっつお待たせー、負けちゃったよ」
「あいつらまた襲撃とかやだね、でも初出場で8位ってよかったんじゃない」
そんな話をしていると騎士のような格好をした男が話しかけてきた。
「あなたたちがゆなさんとなっつさんですか」
「はい、そうですけど…」
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