第7話 初めてのPVP大会①「予選」
「明日から夏休みだね!」
制服を着ている2人は教室で話し合ってる。
「しってる?WTOの第一回日本大会が来週から開催されるらしいよ」
「えっそうだったんだ!全然知らなかったよー。でも私たちも出場できるの?」
WTOの大会はバトルロイヤル形式でソロ、デュオ、トリオの三つのグループに分かれて戦うらしい。
「予選でトップ3を取れば決勝に出場できるらしいよ。あと賞品がランダムなユニークアイテム一個なんだって!」
「じゃあ出場してみよっか、ちょうど夏休みに入るからね」
予選は5日後に始まるのでそれまでにレベル上げがてらに弓の練習することにした。
~予選当日~
「あと三十分で予選開始だよ。グループはEだって」
「レベルと武器の熟練度があがったから予選突破できるといいね」
二人は大会が開催される会場のロビーで椅子に座っている。
大会のゲームシステムは、戦闘可能エリアがどんどん狭まっていきそのエリア内で戦うなどといった他のバトルロイヤルゲームとほとんど同じだった。
「日本大会予選スタートまで3、2、1、スタート!」
上空から音声が聞こえ予選が開始された。
予選大会のフィールドは城下町のような城壁に囲まれた街の中で、道が入り組みあって近接戦がたくさん起きている。
そのころ、優奈と小夏は大きな教会の塔のてっぺんにすわっていた。
「予選大会は観客がいないから人数減るまで隠れてよっか」
「人数が多いときに戦ってもあんまメリットないからね」
10分ほどで残りチームはあと5つになっていた。
「そろそろ戦いに行かない?」
「そうだね、そろそろ私たちの居場所もばれるだろうし」
教会を降りると、荒れ果てた場所にプレイヤーのいた痕跡が残っている。
「うしろからついてきてるチームいない?」
「だよね、たぶん漁夫狙ってるんじゃないかな」
二人は後ろからこっそり尾行されていることに気づいていた。
「でもこれを逆手に取れば勝てるかも!」
後ろのプレイヤーはそのままにしてほかのプレイヤーを探す。
「おーい、だれか戦わない?」
小夏の声がマップ全体に響き渡る。
すると、前からムキムキでハンマーを持った男二人組があるいてくる。
「いいだろう、その度胸認めてやるよ。かかってこい!」
荒くれもののようなチームとあたってしまった。
二人はかろうじて戦えているよな雰囲気を出す。
「思ったより弱いね~」
男たちを挑発すると男は怒り出し、ハンマーで地面をたたいてその地響きで二人は飛ばされてしまった。
「うわぁやられるー」
そう棒読みで叫ぶと、ずっと後ろにいたチームが襲ってきた。
「おい、俺の獲物をとるなよ」
「まだ倒してないっすよ」
後ろの二人組はちょっと焦りながら言う。
「そんな嘘通じるわけないだろ。お前らも倒してやるよ」
大柄な男はそう叫びながら飛びかかりに行った。
そんな戦闘の中、優奈と小夏は建物の上に登ってその様子を見ていた。
「ほら!作戦通りでしょ、もう私たちは倒されたと思ってるよ!」
目の前で起こっている戦闘は、荒くれものたちの勝利で終わったがかなり消耗したようだった。
「じゃあそろそろ倒しちゃおっか」
二人は屋根から飛び降りて息切れをしている荒くれものたちを通常攻撃で倒した。
「くそ、お前らまだ生きてるとはな...」
そういいながら消えていった。
「残り3チームとなったため予選の結果が確定しました」
「「よっしゃーっ‼」」
優奈のチームは作戦のおかげでスキルを使わずに勝つことができた。
「これで決勝でユニークスキルを誰にも対策されずに使えるね!」
二人はこっそり喜んで大会の会場から出ていくのであった。
――――――――――
決勝まであと2日です。
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