第9話 臨時ギルドと第一層攻略

「ちょっと話があるのだけどいいかな?」


「はい」


私たちは町の中にあるカフェへ移動した。



「君たちの試合を見て感心したよ、私たちのギルドに一時的に入ってほしいのだが」


お茶をしながらそう話し出した。


話をまとめるとこの大会でプレイがよかった精鋭たちを集めて第一層攻略のために臨時ギルドを作ることになったらしい。


「どうするか決まったら明日ここに来てほしい」


そういいながら手紙を2人に渡した。




「招待されちゃったね、どうする?」


「せっかくだし行こうよ!」


このゲームは一つの層ごとにエリアボスがいてそれを倒すことで次の層へと行けるというものだった。




次の日手紙に書いてあった場所へいく。


そこは、町の集会場のような見た目で中に入って奥へ進むと10の人が椅子に座っていた。


「昨日呼ばれたので来ました。よろしくお願いします」



「おう、よろしくな!」


2人がそう言うと一瞬まわりがざわざわしたが、すぐに歓迎してくれた。


優奈は凄腕の弓使いとして少し有名になっていたらしい。


「じゃあ予定時刻になったのでミーティングを始めます」


昨日の人がリーダーとなってこのギルドの説明を開始した。


「このミーティングが終わったら第一層の攻略を開始します」


「こんな人数で大丈夫なのか〜!」


複数人が不安に思いそう発言した。


「今回はさまざまな職業の精鋭たちを読んできたので大丈夫です。先に作戦と役割を説明していきますね」


優奈の仕事は後方支援で、前線の攻撃が止まっているときにサポートするというもので小夏は前線部隊だった。


「じゃあ行きますよー!」


「「「おーー!!」」」





マップの中心にある標高の高い山へと登り山頂へと着くと真っ黒で中心に紫に光る魔法陣がある祭壇へと到着した。


「ここから挑戦するぞ!」


全員で祭壇のなかへと入り、真ん中の魔法陣を発動させた。


「緊張してきたね」


あたりの空気は静かになってきた。


この魔法陣は昇降機のようなもので、山の下へと降りて行った。


「もう一度言うがボスはこの扉の奥だ。全員生き残って戦いを終わらせるぞ!」


団長は扉を開ける。


「うおぉっ」


扉の奥のとても広い空間には、全身が真っ黒で盾と剣を持っている15メートルほどの大きな人型の敵がいた。


「じゃあ作戦通りの攻撃を開始する。配置につけ!」


優奈と小夏はここで別れ、お互いの立ち位置へと移動する。


「攻撃開始!」


「「「うおぉぉぉー!」」」


盾役の兵士が防御スキルを発動させながら突進する。


「前線部隊は後に続け!」


小夏は敵に向かって走り出す。


ボスの攻撃は全て盾役が受け止めて後ろにいる小夏たちが一斉攻撃をする。


「次は後方支援部隊、攻撃開始!」


優奈たちのチームは弓使いや魔法使いがいて、カラフルな攻撃がボスを包んだ。


この一連の攻撃でボスのHPは4割ほど減った。


「第二陣用意!」


再び前線組が攻撃を開始し、ボスのHPが半分になった時、ボスはしゃがみ込み小さな騎士へと形態変化した。


「注意しろ、事前情報じゃ載っていないぞ!」


第二形態になったボスは、その後たくさんに分裂した。


そうすると前線部隊はあせって、一人一人が別々の敵を攻撃し始めた。


「リーダー、この敵分裂しててどれが本体かわからないです」


分身体は、しっかりと攻撃してくるがこっちが攻撃を入れるとすぐ消えてしまった。


「一旦守りを固めろ!」


分身体に一方的に攻められている。


「もう、もちません!」


前線は壊滅状態に陥っていた。


そんな時に、優奈は突然前線に向かって弓を構える。


「おい、君!何をしている。こんな乱戦で弓は危ないぞ!」


その言葉を無視し、優奈は矢を放った。


弓は手前で戦っているメンバーを通り抜け、一つの分身体へと飛んで行った。


しかし、その矢は当たる直前でその横にいた味方に当たってしまった。


「おい、何をしているんだ。この状況で味方を失うことはどう言うことかわかっているのか?」


優奈にそう言っていると、周りの分身体が一気に消え始め、最初と同じ姿に戻った。


「ほら、これでもう平気でしょ!」


「お、おう。話はあとで聞かせてもらうから、再度陣形を整えろ!」


再び陣形を整え、ボスはらくらく倒し切ることができた。





「うわぁー疲れたー、でも倒せてよかったね!」


「うん!」


「ちょっと、優奈さん。さっきのは何なんですか?」


優奈は戦闘中に味方の数を数えたら、十二人のはずが十三人になっていて、それで変な動きをする味方を探し出し撃ち抜いたと言うことを伝えた。


「そう言うことだったのか、強く言ってしまってすみません」


「全然大丈夫ですよ!、私も伝えなかったのがよくなかったですし」



小夏と優奈はしばらく休んでから第二層に行くことにした。




「ここを降りたら第二層だよ!」


新しく現れた昇降機を起動する。


「うわーぁきれい!」


昇降機からは下に広がる大きな砂漠が見えた。


「ここからが第二層だね!」




————————

これで第9話を終わります。

投稿が遅くなってしまいました。

この話で、ひと段落が着いたので更新の間隔を2日に一回ほどに開けようと思います。

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読んでいただきありがとうございました。










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ゲームでも死ぬのは怖いので弓で一撃必殺を狙います。 やまの @yama314

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