第6話 隠しダンジョンリベンジと追跡者
「お待たせー」
放課後、先にログインしていた小夏に話しかける。
「全然待ってないから平気だよ」
「じゃあ今日は隠しダンジョンリベンジしよっか!」
張り切って言った。
「大きい声で言っちゃダメだよ」
まだ、このゲームで隠しダンジョンを見つけた人は私たちしかいないので他の人に気づかれるといろいろ危ないと小夏が教えてくれた。
「教えてくれてありがとう!」
2人は隠しダンジョンへ向かう。
「確かここらへんの茂みを左だった気がする」
優奈は木の上に登って高いところから隠しダンジョンの入口を探す。
「あったよー!」
隠しダンジョンの入り口を見つけたので、小夏を呼んだ。
「けっこう神秘的な扉だね」
色とりどりな花が咲いているところにある真っ黒な扉は初めてきた時はそう思ったが、一度中に入ってしまった優奈はそうは思わなかった。
「まぁとりあえず入ろっか」
「せーのでいこう」
1人だけ入って扉が閉じたら嫌なので同時に入ることにした。
「せーのっ」
2人で足を踏み入れると、この前と同じ不気味な雰囲気の洞窟の中に移動した。
「大きな声で話すと大きな蜘蛛がくるから静かに話そう」
小夏に念の為話しておく。
「ありがとうユナ」
「マッピングしておいたこの洞窟の地図があるから、なっつにも送るね」
薄暗い静かな空間を2人で進む。
「なんか後ろの方から人の気配しない?」
小夏は心配そうに優奈に聞いてきた。
「感覚が敏感になってるんじゃない?多分気のせいだと思うよ」
「そうかもね!ユナもいれば心配ないよ」
そう話していると、道の奥から蜘蛛がこっちに向かって進んできている。
「蜘蛛がこっちにきたよ!」
優奈は、蜘蛛は動きは遅く音を立てなければ気づかれないことなどを先に教えた。
「じゃあ蜘蛛が通り過ぎるときに奇襲して一気に攻撃しよう」
小夏が作戦を考え、それを実行することにした。
近くの壁に潜んでしばらくすると蜘蛛が沈むような足音と共に近寄ってくる。
小夏が手で合図をし、通りすぎる直前に攻撃をした。
優奈はもともと準備しておいた矢を蜘蛛へ撃ち、小夏は蜘蛛の足を狙って斬り掛かった。
しかし蜘蛛は2人からの猛攻に耐え、前脚で大きく振るかかる。
「これ当たったらやばいよ! 」
軽く飛びはね攻撃を
2人がいた場所は砂埃を上げながら崩れ人が入れるぐらいの穴ができた。
飛び跳ねた勢いで蜘蛛に斬りかかった。
「ナイス!」
蜘蛛は地面に倒れる音と同時にかけらになって消えた。
「ノーダメで倒せたね」
ボス部屋までは、あと少しなので蜘蛛にバレないように慎重に進む。
「この先の扉がボスだよ…ってあれ?なっつ?」
後ろを振り返ってもそこには小夏の姿はなかった。
とりあえず安全スペースの扉の先へ行こうとして再び前を向いた瞬間、何かにぶつかった。
「あ、すみませっ……うわっ」
腹部を見ると、一つの短剣が刺さっていた。
「なっつ…?」
(いや…違う、この男誰だ?)
「なっつってさっきの女か?あいつならもう眠らせたから、今頃蜘蛛の餌にでもなってるだろうな」
「あんた…だれ?」
「名前は言わないがお前らを追跡して隠しダンジョンへ侵入したんだよ。わざわざボス部屋前まで親切に連れてってくれてありがとうな」
男は優奈を笑うように見ながらいう。
「やめ…て」
優奈は抵抗しようとするが、体を動かすことができなかった。
「この剣には麻痺毒が塗ってあるからしばらくは動けないだろうな。でも俺にはそういう趣味はないから、せいぜい俺がボスを倒すことを悔しがるといいさ」
真っ黒な服を着た男はボス部屋へと歩いていく。
(なんでこんなことに…どうしよう)
「待てぇーーっ」
素早く、青い軌道を描いている刃物が優奈の頭上を通り過ぎる。
「うわぁ」
男の頭に小夏の短剣が刺さる。
「さっきやられたお返しだよっ」
刺さった短剣には麻痺毒を塗ったらしい。
男は倒れ、短剣は小夏の手へと戻る。
その短剣をもう一度男の頭に刺し、男は死んでリスポーンした。
「ユナ、これ飲める?」
小夏は動けない優奈に解毒剤を飲ませる。
「助かったよありがとう」
優奈はゆっくり体を起こす。
「でもなんで私の居場所わかったの?」
「私たちフレンドだからお互いの居場所がわかるんだよ!」
またあの男がこのダンジョンに入ってこられると面倒なのですぐボス戦をすることにした。
「ボス部屋はあっちの錆びた扉だよ」
扉を開けて階段を登る。
「ここの階段を戻ったらボス戦だけど準備はいい?あと蜘蛛の巣には気をつけてね」
「うん!りょーかい!」
階段を登った先には、この前優奈が初めてやられた巨大な蜘蛛が立っていた––––
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次回は隠しダンジョンのボスとリベンジです。
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