第2話 初めての冒険と隠しダンジョン

--前回のあらすじ--


高校生の花宮優奈は新作VRMMOを始め同級生の七瀬小夏と一緒にプレイするために始まりの町にある広場で小夏を待っているのであった。


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「おーーい!」



遠くから少女が手を振りながら走ってきている。



(小夏かな?)



そう思っていると、自分の座っているベンチの前で止まる。



「こなっ…じゃなくて…なっつだよね」



うっかり本名で呼ぼうとしてしまったが、ゲームなのでユーザーネームで呼んだ方がいいだろう。



「ほんとうに今日一緒にプレイしてくれてありがとう!」



「なっつと一緒にゲームやると、楽しく感じるからさ」






早速試しに探索に行くことにした。



「人がたくさんいるねー」



町のなかほどではないが森の中にもたくさんの冒険者がいる。



「じゃあ森の奥の方行ってみよっか!」



2人は走って森の奥の方へ行くことにした。



森の奥は、人が全然いないのでとても静かだった。



「モンスターってどこにいるの?」



「モンスターにも種類があって、奇襲を仕掛けてくるタイプとか道の奥から現れて正面から戦うタイプとかがあるんだよ」



そう話していると、茂みの奥から凶暴なきつねが2人に飛びかかってきた。



「うわぁっ」



とっさの判断で、優奈は木の上に飛び乗り、小夏は少し後ろへ下がった。


2人とも、素早さが高い代わりに、防御力がほぼないのでかすり傷でも致命傷になりかねない。



「これが奇襲タイプのモンスターね」



「私が最初に気を逸らすから隙を見て弓を打って!」



優奈にそう指示し小夏が剣を取り出して、きつねの横へ飛び出し攻撃を与える。



小夏が切ったきつねは片足を引きずりながら大きく吠えて小夏へ突進してきた。



そのとき、優奈は完全にきつねの死角に入った。



「今だ!」



優奈はそう言われは矢を放ち、キツネの頭を貫いた。



倒した敵は、虹色に輝くたくさんのかけらのようなものになり、ちゅうへ消えていった。



『ナイス‼︎』


2人はハイタッチをした。








「そういえば、モンスターの肉も食べれるらしいよ」



そういいながらドロップアイテムを拾う。



「じゃあ焼いてみようか!」



せっかくなので肉を焼いて食べてみることにした。



優奈は木の枝を取り、弓を使って道端で火を起こす。



「ユナって火を起こせるんだね」



小夏は驚いたかのように言う。



「キャンプが好きだから、ある程度サバイバル術的なものは持っているんだ」



道のはじで火を起こし、入手したキツネ肉を焼き始める。


外側が十分に焼けたら火を消す。



「なっつの分もあるよ!」



焼いた肉を小夏に渡す。



「美味しい!」



あんまり料理をしたことがなかったが上手に焼けてよかった。



キャンプのおかげだろうか。



「お腹も満たされたし、続きいこっか」



もっと奥まで進む。



「そういえばスキルとかってどうやって入手するの?」



「モンスターのドロップか、隠し宝箱に入ってるよ。各層に5個ずつあるユニークダンジョンをクリアするとユニーク装備とユニークスキルが手に入るらしいよ」



ユニーク宝箱は隠しダンジョンをクリアしなくては入手できないらしい。



そう話していると、次に鹿が現れた。



2人は協力してあっさりと倒す。



「けっこう簡単に倒せるね!」




この森は初心者のチュートリアルマップのようなもので、動物が敵のような存在であることが多い。



「ドロップアイテムは鹿肉だよ。これでまた何か料理作れる?」



「そうだなー鹿肉って臭うイメージがあるからハーブと一緒に焼いてみようかな」



「おっ!美味しそうだね!」



2人は2回目の料理を作ることにした。



このゲームでは現実世界で餓死しないように満腹にはならないようになっているので好きなだけ食べることができる。



「じゃあ茂みの奥のほうでハーブ探しに行ってくるね」



「待ってるから早く戻ってきてねー」



「はーい」





ハーブを探していると、いきなりひらけた場所に出る。



そこの中心には、神秘的なふちが光っていて真っ黒な扉があった。



「なんだろう」



気になって扉に触ってみる。



「うわぁっ」



扉に触ると薄暗い洞窟の中に入ってしまった。



「不気味な雰囲気だから戻ろうかな」



そう振り返ると後ろにさっきあったはずの扉がなかった。



他のプレイヤーが中にいるかもしれないので助けを求めてみることにした。



「すみませーん、誰かいませんかー」



大声を出しても返ってくるのは、自分の声だけだった。



「どうしよう」



そう考えていると奥の方からゴゴゴゴゴという音がこっちに近づいてくる。



後ろは壁だけで逃げ道がない。さっきの大声で何かを寄せ付けてしまったのだろう。



「これ、終わったかも…」



黒くて大きな何かの影が私がいるところに全速力で走ってきている。



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