第3話 初めての死亡と通常ダンジョン
—前回のあらすじ—
高校生の花宮優奈は初めての探索をしていたら変な洞窟に来てしまった。
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(危なかったぁー)
優奈は潜伏スキルで何かが来ていた道と反対方向の道の進んでいた。
きた道を振り返ると、5匹ほどの大きな蜘蛛がいた。
(とりあえず脱出方法を探さなくちゃ)
ゲームのマッピング機能を使いながら内部を探索する。
この洞窟は、迷路のようになっていのだろう。蜘蛛が徘徊しているので、避けながら行動する。
(次は右に行こうかな)
しばらく歩き右へ曲がると、遠くから蜘蛛がこっちに向かって歩いてくるのが見えた。
(やばい隠れなきゃ)
そう思い来た道を引き返すとそっちからも蜘蛛がきていた。
優奈は壁に張り付いて潜伏スキルを使うことにした。
(バレませんように)
そう願いながら息をひそめる。
目の前を蜘蛛が大きな足音を立てながら通る。
蜘蛛が通り過ぎたら、こっそりと後ろに下がる。
「うわっ」
そのとき、地面に落ちていた石につまずいて転んでしまった。
蜘蛛が振り返り、「きぃぃっ」と甲高い声を出しながら優奈を追いかけてきた。
走って逃げていると道の奥の方に人がちょうど入れるぐらいの高さの扉があるのが見えた。
「ここなら逃げ切れる!」
扉の中へ入りこみ、しゃがみ込む。
「はぁはぁはぁ....疲れたぁ」
しばらく休み、外に出ようと立ち上がると扉の反対に階段があることがわかった。
「ここを登ったら出口につくのかな?」
そう思いながら階段を上っていると目の前に、さっきまでいた蜘蛛とは違ったもっと大きい蜘蛛が現れた。
「もしかして私、今ボス部屋にいる?」
さっき休憩した場所に走って戻ろうとするも、蜘蛛が先回りしたせいで戻れなくなってしまった。
このまま逃げているだけでは埒が明かないので戦うことにした。
幸いにも胴体が大きいからか動きがあまり早くはないので、距離をとり矢を射って攻撃する。
次から次へと矢を撃っていた瞬間、蜘蛛が糸を吐き出し優奈の体にぶつかる。
「うわぁっ」
蜘蛛の糸は思っていたよりずっと硬く、もがいても出ることができなかった。
そうしている間にも蜘蛛が徐々に近づいてくる。
「やめてぇぇっ」
蜘蛛の鋭い脚が自分の腹を通り過ぎる。
「あれ...?」
蜘蛛に切られたところが真っ二つになっていた。
唖然としていると気づいたら今日初めて小夏と会った広場に1人で立っていた。
(リスポーンしたのか...)
息が震えてしっかりと呼吸ができない。
優奈はその場でしゃがむ。
(ゲームでも....死ぬときってこんなリアルなんだ....)
しばらく考え込んでいると目の前に1人の少女が立っていることに気が付いた。
「ユナ、どうしたの?」
顔を上げるとそこには小夏の姿があった。
そこで優奈は、さっき起こったことを1から詳しく説明した。
「そんなことがあったんだ。それは辛いね....」
そう優奈にやさしく言ってくれた。
小夏といることで気持ちが落ち着いてきた。
「じゃあ今日はこれ以上やっても楽しくないと思うし終わりにしよっか!また明日学校でね!」
ある程度落ち着いて大丈夫だよとなったところで、小夏は手を振りながらログアウトした。
その後に優奈もログアウトする。
時刻はもう8時で部屋は真っ暗だった。
急いで自分の部屋の電気をつけて、戸締りを確認しカーテンを閉める。
------次の日の朝礼前------
「おはよー」
読書をしていると後ろから声をかけられる。
「あっ、おはよー」
振り返るとそこには小夏がいた。
「あのあと大丈夫だった?」
心配そうな表情で小夏が聞く。
「今日はもう平気だよ!夜は悪い夢を見たけどね…」
優奈は苦笑いしながらそう言う。
「ほんとうに大丈夫ー?」
小夏は少し笑顔になって言った。
「うん、今日はもう全然平気だよ!」
「わかった!じゃあ今日家帰ったら普通のダンジョンに探索に行ってみない?」
「確かに、普通のダンジョンならあんま敵が強くなさそうだからいいかもね」
そう約束し、小夏と私は朝礼を受けに、それぞれの席に座った。
------帰宅後------
家に帰って、制服を着たまんまベット脇にあるゴーグルをつける。
起動スイッチを押し、スタートボタンを押すと、昨日ログアウトした場所でスポーンする。
ちょうど小夏も同じタイミングでスポーンしてきた。
「ちょうど同時にログインしたんだね!」
優奈はびっくりしながら言った。
「本当だね!じゃあさっそく今日は普通のダンジョンに行こっか」
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これで第3話は終わりです。
しばらくは毎日6時に投稿しようと思います。
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