第9話 新しい力

黒龍が不気味に光り始めたその瞬間、李華は強大な力を感じ取った。まるで彼の体全体が暗黒のオーラに包まれ、圧倒的な威圧感が周囲に広がっている。彼はただの人間ではない、何か特別な力を手にしているようだった。


「これが、お前が持つ強大な力か…」


黒龍は冷たい笑みを浮かべたまま、李華をじっと見つめた。


「そうだ。この町には古代から伝わる強力な力が眠っている。それを手に入れた俺は、もはや無敵だ。お前のバズーカで俺に勝てると思うなよ。」


李華はバズーカを構えながら、心の中で警戒した。黒龍の力は計り知れず、ただの武力だけでは対抗できないかもしれない。しかし、諦めるわけにはいかない。彼女にはこの町を守るという使命がある。


「勝てるかどうかは、やってみないと分からない!」


李華は再びバズーカを発射し、強力な衝撃波を黒龍に向けて放った。轟音が響き渡り、光が黒龍に直撃するかに見えたが、彼は片手を軽く上げるだけで衝撃波を打ち消した。


「無駄だ。俺の力の前では、そんな攻撃は通用しない。」


黒龍が手を振り下ろした瞬間、地面が揺れ、暗黒のエネルギーが彼の体から広がった。李華はそれを見て、次第に焦りが募る。


「このままじゃ、全然通用しない…!」


黒龍はゆっくりと歩み寄りながら、さらに冷たい声で言い放った。


「お前はここで終わりだ。賽銭箱を奪われた今、お前にはもう何も残っていない。」


その言葉が李華の心に刺さる。確かに賽銭箱を失ったことで依頼を受けることができなくなり、彼女の力は限られているかもしれない。しかし、そんな中でも彼女は諦めなかった。


「賽銭箱がなくても、私は町を守る。それが私の使命…!」


李華は再びバズーカを構えようとしたが、突然、バズーカが輝き始めた。何かが変わろうとしている感覚が彼女に伝わる。


「これは…」


岡持バズーカが光り輝き、その形状が少しずつ変化していった。これまでに見たことのない進化を遂げ、より強力で洗練された武器に変わろうとしていた。


「バズーカが…進化している…!」


李華は驚きながらも、その変化を受け入れた。バズーカは新しい力を手にし、さらに強力な攻撃を可能にしていた。


「これが…新しい力…」


黒龍もその変化に気付き、興味深そうに李華を見つめた。


「ほう…面白い。だが、それでも俺には勝てない。」


「試してみるしかないわね!」


李華は進化したバズーカを再び構えた。強力なエネルギーがバズーカに集中し、これまでにない圧倒的な力を感じた。


「新しい力で、あなたを止める!」


李華はバズーカを発射し、これまでの衝撃波とは桁違いのエネルギーを放った。そのエネルギーは黒龍に直撃し、彼を後退させた。


「な…これは…!」


黒龍は驚きの表情を浮かべながら、エネルギーの衝撃に耐えようとしたが、勢いに押されて苦しんでいる様子だった。


「どう?今の一撃は効いたでしょう?」


李華は自信を取り戻し、さらにもう一撃を放とうとした。しかし、黒龍はすぐに体勢を立て直し、再び暗黒のエネルギーを体に集め始めた。


「だが、俺はまだ倒れない。次は俺の番だ。」


黒龍はその手に暗黒のオーラを集中させ、李華に向かって放った。その力は凄まじく、李華はすぐに反応してバズーカを防御に使ったが、衝撃が彼女を大きく後退させた。


「くっ…強い…!」


李華は何とか体勢を立て直し、再びバズーカを構えた。黒龍との戦いはまだ終わっていない。だが、彼女には新しい力がある。


「これが最後の一撃よ…!」


李華は全ての力をバズーカに集中させ、最後の決戦に挑むことを決意した。黒龍もまた、自らの力を最大限に解放し、激しい戦いが繰り広げられる。


二人の力がぶつかり合い、街全体が揺れるような衝撃が広がった。この一撃で、勝敗が決まる――そう、李華は信じていた。


### 続く

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