第10話

431:スレ主

余りにも、私の却下が続いたため

彼らは強硬手段に出るようになったんです


432:名無しの冒険者

強硬手段?


433:名無しの冒険者

なに、勝手に持ち物漁られたとか?

(´∀`*)ケラケラ


434:スレ主

えぇ、まぁ


435:名無しの冒険者

うわ、マジか

冗談だったのに( ̄▽ ̄;)


436:名無しの冒険者

今までも最低裏話だったけど

さらにスゲーのがきたな


437:スレ主

私の不正の証拠を探そうとしたようで

テントの中やカバンの中を漁った形跡がありました


438:名無しの冒険者

形跡があったって、ことは問い詰めたんだよね?


439:スレ主

いいえ


440:名無しの冒険者

え、なんで??


441:名無しの冒険者

普通問い詰めるだろ?


442:スレ主

私たちのパーティに鑑定スキル所持者がいたらよかったんですけど

まぁ、つまるところ、誰がそれをしたのかわからなかったんですよ

内部の者の犯行なのか、それとも外部の物の犯行なのかわからなかったんです

微妙なところだった、と言った方がいいかもしれません


443:スレ主

その時にはもう、パーティ内の空気は最悪で、正直、私はいつ不慮の事故死を遂げるかわからない状態でした


444:名無しの冒険者

よくもまぁ、それで魔王討伐を成し遂げたものだな


445:名無しの冒険者

でも、魔法使いは味方だったんでしょ?


446:スレ主

えぇ、いつだって彼女は私の話を聞いてくれました

味方でいてくれました

だから、私の荷物が荒らされていることを知った時、怒ってくれました


447:スレ主

荒らされていた現場の詳細は省きますが

もう一度書きますが、内部犯か外部犯か微妙なところで

この事を報告すると、確実に私が嘘つきの悪者扱いされることは自明の理でした


448:名無しの冒険者

なんで??


449:名無しの冒険者

詳細を書かないのは仕方ないけど

いくらパーティの空気が最悪でも、荷物が荒らされたのは事実だったんでしょう?

なら、自衛のためにも情報を共有しておくべきじゃないの??


450:スレ主

そうですね

私も、最初はそのように考えました

でも、魔法使いに助言されたんです


451:スレ主

下手なことを言うと、私は確実にパーティから追い出されるだろう、と


452:名無しの冒険者

魔法使いが?


453:名無しの冒険者

なぁ、魔法使いも実は勇者側の味方だったってオチじゃないよな?


454:スレ主

>>453

いえ、それはないです

この時に魔法使いが提案したのは、だからこそ、もしも内部犯だった場合のことを考えて、あえて黙ってハメてやろう、ということでした


455:名無しの冒険者

あえて??


456:名無しの冒険者

どゆこと??


457:名無しの冒険者

というか、まだ戦士がメイドを雇っていない理由を書いていない気がするんだけど


458:スレ主

>>457

そうでしたね

といっても、一度書いてるのですがあえてもう一度書きます

以前書いたように、男性のメンバー達は飯炊き係やその他雑用係として女性を加えるのはいいけれど

男性は食べる量も多いので、不経済だという考えでした


459:名無しの冒険者

あぁ、そういやそんなこと書いてたな


460:スレ主

ほかの場面でも、たとえば買い出しした荷物をその店の下働きの方に運んでもらったりした場合

僅かながら心付け、まぁ、チップですね

チップを渡すじゃないですか

戦士はそれをケチることがありました


461:名無しの冒険者

え、えぇ( ̄▽ ̄;)


462:名無しの冒険者

それは、ちょっとさすがになぁ


463:スレ主

勇者もそれに賛成してました


464:渡航者

あー、勇者が賛成してたのはわかる気がする

勇者の出身、俺の出身と同じ国だから

俺たちの故郷にはチップを払うって慣習がないんだ

全くないわけじゃないけどな

冠婚葬祭の時に、式場の人や僧侶に心付けを渡したりするから、これがチップといえるけど

でも、ちょっと店で買い物してサービスして貰った時にチップを渡すっていうのはないんだ


465:名無しの冒険者

へぇ、そうなんだ


466:名無しの冒険者

こっちの世界だと普通なんだけどな


467:名無しの冒険者

こっちの世界だって、チップをやらない国はあるぞ


468:渡航者

でも、戦士はチップのない国の出身じゃないからな

だからこそケチくさいのか、なるほど


469:名無しの冒険者

貧乏生活長かったし仕方ないんじゃない??


470:スレ主

医者にかかるより、薬局で一番安い薬を買うより安上がりだから

という理由で、初めて出会った森にいたんですよ、彼


471:名無しの冒険者

どんだけケチなんだよ


472:スレ主

しかも、婚約をズルズルと先延ばしにしてたのだって

それを機に資金援助でもされたら、一生相手に頭が上がらなくなるから、という面もあったとか


473:名無しの冒険者

妹のこと大切じゃなかったんか


474:スレ主

これは婚約者候補の方が愚痴ってくれたことです

むしろ、いまだから言えますけど

私が婚約者候補の方へ話をしに行った時に、彼は能力値はたしかに高い

でも、やめた方がイイとまで忠告してくださりました

けれど、彼以上の能力を持つものがこの先見つかる保証もありませんでした


475:名無しの冒険者

まさに苦渋の決断だったわけだ


476:スレ主

私の焦りが招いた旅でもあったので

こればかりは、自己責任だと考え飲み込んで異端です


477:名無しの冒険者

そこまでしなくてもよかったのでは??


478:スレ主

それもすべて、今だから言えることです

それに、最初に書き込んだように

私は旅自体は嫌いではなかったんです

むしろあちこちへ行けて楽しかった

それもまた事実なんです


479:スレ主

話を戻しますね


480:スレ主

魔法使いの提案で、私は私の荷物が荒らされたことを黙っていました

そしたら、その夜に魔物使いと戦士がそわそわとしていました


481:名無しの冒険者

えwww


482:名無しの冒険者

なんで??


483:スレ主

魔法使いは夕食の席でのそんな彼らの態度を見逃していませんでした

やがて痺れを切らした魔物使いが私に話しかけてきました


「今日、なにか変わったことはなかったか、と」


私は事前に魔法使いに言われた通りの反応をしました

つまり、きょとんと首を傾げて、


「変わったこと、とは??」


荷物が荒らされたその日は、魔物や魔族の襲撃もない穏やかな日でした

なので、それぞれ思い思いに過ごしていたのです

旅のなかでも休日は必要でしたからね

その日はそんな日だったのです

私と魔法使いはテントに荷物を置いて、すこし周辺を散策したので、その間に荷物が荒らされたのですけど


484:スレ主

私の反応に、魔物使いは困惑顔になりました

戦士と視線を交わしあい、言葉を選んでまた私に言ってきました


「その、なにか手荷物に不備があったりとか。

窃盗被害、のようなものがあったりとか」


このとき、魔法使いが嬉しそうに顔を綻ばせたのに気づいたのは、おそらく私だけだったでしょうね


「特にないですよ?

本当に大事なものは基本身につけていますから」


これは本当のことです


485:スレ主

たとえば、私の印である紋章があしらわれた指輪や、銀行の届印などなど、貴重品はいつも肌身離さず持っています

荒らされた荷物の中にあったのは、筆記具や地図などでした

帳簿ですら、私自身が持ち歩いてますし


486:名無しの冒険者

用心がすげぇ


487:名無しの冒険者

( ゜д゜)す、すげぇ…


488:スレ主

おそらく、無駄遣いの証拠でも抑えようとしていたんでしょうね

生憎、筆記具ですらこういってはなんですが子供のお小遣いで購入できるものを選んでいました

書ければそれでよかったので


489:スレ主

あ、いまはガラスペンなどをつかっていますよ?

でもさすがに旅の先々でそういうものを持ち歩く気はしなかったんですよ


490:スレ主

王宮への報告書も、軍で使っている普通の紙を使っていました


491:スレ主

私の返しに戦士が声をあらげました


「嘘をつくな!!」


ここで魔法使いの目がキラリ、と光りました

私は黙っていました

私は彼女の、男どもを黙らせるからなにがあっても飄々としててね、という言葉にしたがっていたのです


492:名無しの冒険者

面白くなってきやがった!!


493:名無しの冒険者

盛り上がってまいりました!


494:名無しの冒険者

魔法使い「かかりやがった!!」


495:名無しの冒険者

魔法使い「盛り上がってきたぜ!!」


496:名無しの冒険者

魔法使い「さぁ、どう料理してやろうか(舌なめずり)」


497:魔法使い

私、そんなキャラじゃないよ(´・ω・`)


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