第4話:夢の世界に帰らないで。

夜、俺が風呂から出るとジゼルちゃんはちゃんと部屋にいた。

俺が眠らないとジゼルは夢の中に帰れないんだ。


でもジゼルが夢の中に帰ったら俺は僕の夢の中でまたジゼルに会えるんだな。

24時間フルで会ってるってことか・・・。


案の定、俺は眠って、そしてジゼルとあって・・・でいいところで、次の朝、

俺はハッとして目を覚ました。

なんとなくだけど、また体の左腕に重みを感じた・・・恐る恐る見てみると

いた・・・ジゼルがいた。


でもってやっぱり裸のままだった。

それも俺の妄想、願望が反映してるんだからしょうがない。

俺の考えは夢の中に影響を及ぼすらしい・・・俺の夢だから。


「よかった・・・戻ってきてたんだ・・・」


ジゼルは俺の横で可愛い寝息を立てて眠っていた。


それからも、ずっとそういう日々が続いた。

ジゼルは夜になると夢の世界に帰って行く・・・そしてまた次の朝、俺の横で

寝ていた。


不思議に思ってジゼルに聞いてみた。


「なんでジゼルは夜になったら夢の世界へ帰って行くんだ?」


おとちゃんが眠ると夢を見るでしょ・・・夢を見たとき、夢の中に私がいなかった

ら寂しいかなって思って・・・」


その言葉を聞いて俺はジゼルを目一杯抱きしめた。


「そんなに強く抱きしめたら壊れちゃうよ」


「ごめん・・・ジゼルの健気な気持ちが嬉しくて・・・」


「でもよく考えたら夜、ジゼルが夢の世界に帰っちゃっう前に彼女とエッチ

しいたほうがリアルに体験できるじゃん、夢の中なんて仮想空間でいいところで

目が覚めるより絶対いいよな」


「あのさ、ジゼルの優しさには感謝だけど、その気持ちを踏みにじるような

こと言ってごめんだけど・・・」


「俺としては、俺のこの現実の世界でジゼルには夜もずっと俺といてほしんだ」

「朝まで俺のベッドで寝て朝を迎えて欲しいんだけど・・・ダメかな?」


「夢の中で私と会えなくてもいいの?」

「私がこっちにいると夢の中では会えないんだよ・・・」


「そりゃ、夢の中でも会っていたいけど、でも夢の中じゃいつまで経ってもジゼルと

エッチできないもん・・・いいところでいつも目が覚めるからさ、だからいて

くれたほうが嬉しい・・・」

「俺が眠っても夢の中には帰らないで欲しい」

「ここにずっといてよ・・・一秒でも長く君といたいし・・・中途半端で終わる

のは嫌なんだ」


「うん、分かった・・・・じゃあ夜中もここにいるね」

「私と夜を共にして、私とエッチしたいんだよね?この現実の世界で・・・」


「できれば・・・」


「あのね、本当のこと言っていい?」

「夢の中でいいところで目が覚めるって言うけど・・・本当は音ちゃんが覚えて

ないだけで、やっちゃってるんだよ」

「音ちゃんと私、夢の中で、とっくにエッチしちゃってるの・・・・」


「え?うそ・・・まじで?・・・覚えてないけど・・・」


「やっちゃってるね・・・え〜と何回くらいしたっけ?」


「数なんか思い出さなくていいよ?」

「そうなんだ・・・もうやっちゃってたのか・・・起きたら忘れてるんだ・・・」

「悪い・・・夢の中とはいえ・・・ごめんね」


「誤ってくれても、遅いよ」

「って言うか、そもそも音ちゃん、私の年齢設定17歳ってことにしてるでしょ?」

「それって淫行だよ・・・夢の中でも・・・


「夢の中だから犯罪にはならないだろ?」


「だからなんだね、音ちゃん夢の中で私に変態な行為してるのは?」


「え?・・・俺、そんなにひどいこと君にしてたの?」


「さあ、どうなんでしょ」


「やってたんだ・・・え〜落ち込むな〜・・・自己嫌悪だよ・・・最悪だな」


「うそだよ・・・」


「え?」


「うっそ〜・・・音ちゃんはいつでも私には優しいよ」


「まじで?・・・なんだよ、俺って最低って思ったのに、脅かすなよ」


「もし音ちゃんが酷い人だったら、きっと私ここにいないよ」

「エッチだって絶対させてあげてないし・・・」


「俺って夢を見たら自分の人格が変わるのかと思った」


「でもさ・・・俺の気持ちは分かっただろ?だからさ、もう夢の世界に帰らなくて

もいいじゃん」


「分かった・・・じゃ〜ずっといてあげる・・・」

「朝はちゃんと音ちゃんを起こして、朝食作って食べさせて大学へ送り出して

で、お掃除と洗濯を済ませてご近所のスーパーでお買い物して音ちゃんが帰って来るまでに夕食の支度をして晩ご飯食べさせて一緒にお風呂に入って仲良くベッドで

ラブラブね」


「何?一緒に風呂に入るの?」


「現実でも夢の世界でしてたことを、するだけだよ」

「それにエッチだって、もう夢の中でやっちゃってるんだから現実の世界でだって、やっちゃってもなんの問題ないでしょ?」


「うん、なんの問題もない」


そんな訳でその夜俺とジゼルは現実の世界でようやく結ばれた。


つづく。

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