敵の影
「ッ見せてください…!」
「えっ」
グイッとやや強引にアーマーのついた左手が引かれる。
魔導士はそのままペタペタと隙間なく触りながらアーマーを調べ始めた。
勇者はさすがにぎょっとし反射で少し身を引いたが、魔導士の顔が真剣そのものだったので何も言えなかった。
「…何か悪い物でもついてたのか?」
「これ…」
「魔導士アンタ顔色が…!」
「…とても強い崩壊魔法の跡があります…!勇者さんうでは平気でしたか!??」
「、」
崩壊魔法。
勇者は何かを言おうとして、はく、と空気を飲み込んだ。しかし、飲み込んだまま何も言えずに_ハッとして先程まで近くにいたはずの孤児院の男がいる方を見やった。
しかしそこにはもう子供たちの姿すらなく。
まだ疑いがあるだけで敵と断定できるわけではないが、パーティ四人は間近に敵の息を感じたのだった。
何も言えなくなっている勇者に代わりアーチャーが甲高く声を上げた。
「…崩壊魔法…っつ
「ッ見せてください…!」
「えっ」
グイッとやや強引にアーマーのついた左手が引かれる。
魔導士はそのままペタペタと隙間なく触りながらアーマーを調べ始めた。
勇者はさすがにぎょっとし反射で少し身を引いたが、魔導士の顔が真剣そのものだったので何も言えなかった。
「…何か悪い物でもついてたのか?」
「これ…」
「魔導士アンタ顔色が…!」
「…とても強い崩壊魔法の跡があります…!勇者さんうでは平気でしたか!??」
「、」
崩壊魔法。
勇者は何かを言おうとして、はく、と空気を飲み込んだ。しかし、飲み込んだまま何も言えずに_ハッとして先程まで近くにいたはずの孤児院の男がいる方を見やった。
しかしそこにはもう子供たちの姿すらなく。
まだ疑いがあるだけで敵と断定できるわけではないが、パーティ四人は間近に敵の息を感じたのだった。
何も言えなくなっている勇者に代わりアーチャーが甲高く声を上げた。
「…崩壊魔法…って!!S級魔法だろう…!!」
「そうです…!明らかにこちらを害そうという…」
「ぁ…腕は、大丈夫だ。防御の効果魔法が発動したから。」
「よかったぜ…剣士の腕は命だからな…」
魔導士に腕の具合を伝え少し落ち着いてもらうと同時に、勇者は孤児院の引率の男について伝えた。
効果魔法が発動した経緯も。
そして、敵の_恐らく幹部であろうことも。
「間違いはないだろう。何故街の中に入れていて、孤児院の引率として溶け込めているのかは分からないが…」
「S級魔法を使えるという事は魔術特性が高いのでしょう。力の衰えている結界内に入る事は容易かったのでしょうね。」
「…敵の幹部が関わっているにしては孤児院の子たちには一切陰りが見えなかったぜ。なんとでも出来るのかもしれねえが、…子供たちは幸せそうだった。」
「考えたくないが、…洗脳って手もあるだろう。相当厳しい古代魔法だが力量次第でどうにでもなるんだ。敵の幹部相手には疑ってかかる方が賢明だね。」
四人は厳しい顔で悩んだが、街のなかで孤児院のあやしい噂などなかったこともあり、今はとにかく先に進むことを決意した。
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