【後編】おくすり飲まなきゃ

走馬灯って本当にあるんだ。


「ねぇ、寧々ちゃんってダサいよね!」


小学校の時、初めてこんなことを言われた。

道徳の時間で「いじめはダメ」って習ったはずなのに。先生と一緒に考えたのに。


ここから全てが始まったのだ。


朝学校に行くと、下駄箱に靴がなかったり、机に落書きがされていたり。

気付きたくなかった。

自分がこんな目に合っているなんて。

お母さんにも言えず、お腹の底で溜め込んでいたら、やっぱりバレた。


「寧々…私、あなたのためなら何でもするから…もう一人で考え込まないで。」


泣きながらそう言われたけど、困る。

話して何になるの?

そう言いたかったけど。


「うん、ありがと!」


いい子を演じなくちゃ。 


中学校になってから、いじめはドンドン加速していった。

暴力は日常茶飯事、男子から襲われたり。

心も身体もボロボロだ。


「どうやったら楽になれるんですか?」


教師はただただマニュアル通りのことを言う。

なんにも楽しくないよ。嬉しくないよ。


「大丈夫?」


その言葉が一つでも私の心に残っていたらー…

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おくすり飲まなきゃ 水瀬彩乃 @hitorichan

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