断章 幕が開くその前に

星歌第一章「地穿つ焔の雫」

 花よ樹よ 咲かせ栄えよ 無何有むかうの地


 神も魔も この世におらぬ 理想郷


 咲き誇れ 常世の春が 終わるまで


 星の海 彼方の彼方 また彼方


 終わりなき 旅に漂う 一雫


 虚空にて 彷徨い迷い 幾星霜


 旅の先 見いだしたるは 碧き星


 天高く 空より落ちる 一雫


 地も海も 炎の中に 焼け落ちる


 焔消え 残されたるは 灰と炭


 変わりたる 大地の姿 色褪せて


 千億の 昼と夜とを 繰り返し


 悠久の 時が流れて 兆しあり


 命の芽 荒野の下で また息吹く


 雫より 数多の命 溢れ出て


 古と 異なる姿 現れり


 命の実 大地に溢れ 弥栄いやさかえ


 七彩に 輝く命 恵みあれ

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