死にたがりの君へ

ツキ

戯言

毎日死にたいって言ってる君へ。


僕は今日、死んでみた。


人間って愚かだよね。


自分を上に見せて


他人を下に落とす。


嫌いだったやつが死んだ時


内心喜んでたよね。


でも気づいたんだ。


自分が死んでみて。


知ってた?


人間って死んでも


五感の中で聴力が最後に消えるんだって。


その時君の声が聞こえた。


「なんでこんなことしたの。」


僕は分からなかった。


君が虐められた原因。


その僕が死んだから足枷は外れたよ。


聞き返したくても口が動かない。


これが僕の人生。


これでよかったと思ってた。


「もっと生きて欲しかった!」


なんで。


「君らしくない!大っ嫌い!」


僕には分からなかった。


どうしてそう思うのかって。


でも、涙を流した君が


泣きながら教えてくれた。


「生きてるだけで、大好きだった。」って、


僕はふと我に返った。


なんで死んだんだっけ。って


大好きな人がいた僕はなんで死んだのかって


後悔し始めた。


お金持ちでも無かった僕。


男らしさもなかった僕。


それに比べて逞しかった君。


僕はそれだけで幸せだったのかって


君が教えてくれた。




棺に入れられた時


自分の過ちに発狂したくなった。


君が教えてくれた「命」


親から授かった「命」


それをゴミ箱に捨てた僕。


天国にすら行けないね。


段々と火の音が近づいてくる。


涙で溢れた君を最後に


抱きしめてあげたかったな。


思えば僕達


恋人らしいことも出来なかったな。


でも、もう後の祭りだった。




…………ごめんね。


苦しい時は相談すればよかった。


君と一緒に祭りに行きたかった。


我儘だった僕を愛してくれてありがとう。


死ぬってこんなに悔いが残るんだね。


部屋から消えた僕の跡。


朝が来ない街。


君が星になったら


僕はポラリスになって迎えに行くね。


その時が来るまで


僕の跡を消さないでね。


こんな別れ、しなければ良かった。


さようなら。お父さん。お母さん。


さようなら。僕の天使。








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