第4話 小説を書き始めて読まなくなった

書く前はよく読んでました。ここのサイトでハマったのが流花(スラムダンク)と沢深(沢北と深津、知らない人のために)、かなり眠い目をこすりながら読んでました。多分、こう書く、というのをそこで知ったんだと思います。あと性的嗜好のタイプを認識したんだと思う。例えば、暴力的なアンハッピーは好きじゃない、とか女体化は読んで楽しいけど、書かないな自分なら、とかさ。みんなあるじゃん。


数か月、読み続けて、書き始めてからも、まあまあ読んでましたが、今はフォローしている方のと流花、沢北読んでるなら100%知っているであろう方のを読むくらい。後者は、すごいたまにです。今BL二次書かないから余計読んでいない。創作は他作品を楽しめなくなったところからスタートなんだと思います。自分の色が出ていて、そっちを推しているからね。書いて、読めて、普通に楽しめて~ていうかたは一番ハッピーな創作者だとわたしは信じていて、そういうかたのある種ゆるぎない自信や愛情深さを見習いたいと思うわけです。難しいけど。

評価も目に見えて数字化されていながら、全く自分の書くものと違うテイストの高評価作品をこころから推せる方は、仏さまくらいかなと思います。


だいたいこころが狭くなってくるんじゃないかな、と思うし、批評精神も芽生えてくるだろうと思う。わたしはこうは書かないな~とかね。そういう自分も、ちょっとイヤになったというのも二次BL読まなくなった理由なのかな。わからんけど。


ほぼ、日記。本当読まれていないと思っているから書いているが、ここは吐き出し口かもしれない。

で、それ以外の小説も、ちょっとお勉強に、って買ってきたはいいものの、これまた読まないの。なんかさ、ムダに長くて暗いのがダメになっていて、あれ?って思う。この自分が書いているライトな中間小説みたいなもののカラーでずっといるから、薄暗い純文学が読めない。真っ暗は読めるんだと思う。ホラーとかなら。でも、何で学生の時にドストエフスキーや太宰が読めて、今は、現代の作家のうす暗さが読めないのか。謎。あんまりじっくり考えても時間のムダだよ、的な短絡思考になっちゃったのかな。

そういう薄暗いの読んだ後にさ、ラブラブ~なの書くエネルギーがおもいっきし削がれていて、ああ、いらないものだったんだ、と気づく。

好きな文体ならどんどん読めばいいし、ポップな作品だっていっぱいある。なのに、その自分の持ってるエネルギーの色を変えられるっていうのがイヤで、本を読んでいない。影響を受けやすいっていうのがモロに出てしまうタイプだからかもしれない。


さらに、まあまあ長い歳月、書きたいと思っていた怨念みたいなもののせいで、読んでいる暇があったら書いたの読ませろ、と迫られる。何かに。


作家になりたい人が行く、高い文学賞受賞者人数を誇る、書き方教室みたいなとこで、講師がいうのは、たくさん書いて、たくさん現代の作家さんの作品を読みなさい、ということらしい。半分は実践している、と思う。でも、長い目でいい作家として作品を生み出していくためのインプットが必要なのだろうけど、こういう、タガを外して書く、書きたい衝動があるうちは、ただ、書いたらいいんだと思う。ストッパーはいらない。一回一回メモしたり感想書いたり、学んだり、反省なんかもしなくていいと思う。まずは書きたいものを全部出して、うぬぼれて、いろんな挑戦をしてみて、そっからでいいかな、と思う。何書けるか、書きたいかわからないのに、勉強してどこいくの?って思うから。

すごい自己肯定感の高さだな、と改めて感じる。

読めなくても、今はいい。


今のところ自分は恋愛小説とその人間関係やバックボーンを書きたいなと思う。書いていて楽しいのは会話なので、純文学と言われるものが実は思っている以上に性に合わないのかもしれない。

憧れのようなものがあったんだけど。う~ん。

楽しくないと続かない。書きながら、飽きっぽさやいじけ易さも出ていると感じる。この性格はどんな仕事に付いていても、ちゃんと出ちゃうんだな、と思う。言葉で飾り立てていけば結構騙せそうな分野なのに、ちゃんとわかる。読んだらわかる。


さらに、俯瞰していくと、今のお仕事の大事さもかけがえのない時間を過ごしていることもわかる。いいエネルギーを毎日、プライベートでも仕事でも貰っていたことに、喜びが湧く。自分の居場所がちゃんとあるから、こうして安心して好きに文章が書けるのだという幸福。それでいながらも、文章だけを書いて生きていきたいと思う業のようなものもある。

多くの人の人生だとか岐路だとか、はたまた命に関わるのが今の仕事だと一般的に理解している。その中に様々な人間模様や思惑や感動や、時々、たった一つの笑顔に救われるような体験もする。物凄い恵まれた環境で仕事ができているのだと思う。数え上げていけば。

それを分かっていながら、業の深さは果てしなく、そんな日常を全部捨ててもいいから書くことだけに集中したいという不届きものな自分がデーンと居座っている。


もう、随分前から、ね。

今は書いていることで中和して、折り合いをつけている。

この業がないほうが、いろいろハッピーなのかもしれないが、寝不足もないしね。

でも、やめられないってことが、こうとしか生きられないこと、らしい。書き始めて、先月でまだ一年ほど。どんどん自分の中から新しい言葉が出てくるのを面白がっている。

読むのは、まずは書き上げた自分の物語から。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る