キング

その国は独裁者とその一族に支配されていた

反抗するものは粛清されていた

粛清というのは強制労働や抹殺の事だ


「クーデタをおこす!平和な国に変えるんだ!」

レジスタンスのリーダーは叫びメンバーを鼓舞した

メンバーの数は200人を超えた

国の兵士の数からすると数百分の1程度にすぎないが

兵士達の大半は国境の砦に出向いていた

強欲な独裁者は領土を拡大して

どんどん私財を増やし贅沢をしようというわけだ


クーデターは深夜に行われた

まずは武器庫に侵入し武器を確保した

城内には協力者がたくさんいたので簡単に侵入できた

城内の人間も無理やり働かせていたようで

独裁者に対して不満が溜まっていたらしい

城内の見張りの兵士は少なかった

数の力で城内をどんどん制圧していく


独裁者の寝室も見張りは2人だけだった

その2人も10数人の武装したレジスタンスをみると

抵抗することなく寝室のドアをあけた

寝室の真ん中には天蓋のついた大きなベッドがあり

ベッドでは独裁者が大きないびきをかいて寝ていた

この騒動の中で熟睡できるとはおかしな神経だ

肥え太った醜いからだ

近くで見るのは初めてだったが確かにそれは独裁者だった

(こんなやつのせいで国民は苦しんでいたのか)

この日がくればできる限りの拷問をしてやりたいと思っていた

しかし1秒でもこの顔をみたくないという気持ちが

ナイフを胸に突き立てさせた

数秒の苦悶の表情をしたあと独裁者は絶命した


リーダーは城の展望台でのこぎりで落とした首を手に持ち

勝利を宣言する

レジスタンス達からは歓喜の声があがった

リーダーはこれまでの苦難の道のりを回顧する

そして思う

(これから平和な国をつくろう。まずは残りの独裁者一族を粛清だ。)





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