『いい? わたしはAIコンシェルジュのミュウ。あなたの名はヤマト』

 ヤマトは孤島にあって希望を見つけたような心地がして、興奮気味にスマホをつかみ直した。


「ほ、他に、オレのことで分かることはないか?」

『男性』

「だろうな」

『目と耳がふたつずつ、鼻と口がひとつずつあるわ』

「まんまだな、それ」

『そして機能しているとはとても思えない頭がひとつ』

「なに? ケンカ売ってんのか?」

『主な使用言語は日本語』

「間違いないけど」

『胸の大きな女性を見ると心拍数及び血圧が上昇するわ』

「そ、そ、それはオレだけじゃないだろ?」

 ヤマトは、いらだちを隠そうともせず、そう尋ねたが、それきりミュウは沈黙した。

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