タイトルはもちろんポジティブな意味です。
フィクション作品にはしばしば、整った文章なんだけれども、
「登場人物が皆、おろしたての衣装を纏っている」
「血の描写に露骨な血糊っぽさを感じる」「累計飛行距離何万光年の宇宙船に塵ひとつついていない」
「涙が目薬」
と感じてしまう物が多かったりします。
しかし、こちらの作品には、そういった「作り物感」が、良い意味で無く、文の中に、本当に町があり、人がいて、生活していて、生き物がいて、乗り物があり、石があり、木があり、水があり、火がある、そう感じられます。
そんな作品に出会えることは、そう多くはないのではないか、と思います。