お盆休み前にすみません……
では、いきなりですが読者様へ質問です!
Q.私のこの渡航証は、申請してから完成するのにどのくらい時間がかかると思いますか?
週単位でお考えください。1週間? 2週間? それとも……?
中国は人口が多いのからもしかしたら遅くなる……? いくら人が多くても10月の平日に台湾に行く人は少ないから早くなる……?
さまざまな憶測が浮かび上がってきたと思います。
答えは……5〜7週間です!!約1ヶ月半もかかります。早くて1ヶ月と少しといったところでしょうか。
長い! あまりにも長いです!
外国へ行くわけですから、審査が厳しいのかもしれません。ちなみに領事館のサイトには「申し込み人数が多いため」と書いてありました。
失礼ですが、これを見た私の素直な感想は「えっ!? 台湾に行く人めっちゃいるやんけ! 」という至極真っ当な感想でした。
両親が寝静まった23時半に部屋中に響き渡るような声で呟いてしまい、軽く怒られてしまいましたが……
そしてそれを知った次の日。お盆休み直前の、太陽の紫外線が強く降り注ぐ非常に暑い日に、私は申請のための第一準備を行うために、学校へ向かいました。
蝉の声がどこでも聞こえ、お盆休みも近いことでまさに夏だなぁ感傷に浸りながら、少し歩いただけなのに汗だくになってしまいました。
額に流れる無数の汗を制服の袖で拭き取りながら階段を登ると、職員室前にオアシスが展開されていました。外気温は間違いなく30度を超えていたと思うのですが、あの日の職員室のエアコンは何度だったのか今でも気になります。まるで冷凍庫を開けたときに外に流れ出る冷気のような冷たい空気が廊下にまで漏れていました。
しばらくして約束の時間になると、私は先輩方が進路の面談でよく使う相談室へ入りました。ここもまた涼しいっ! むしろさっきまで30度の世界にいた私にとっては寒いと感じるくらいの場所でした。
では、本題に入りましょう。
私がお盆休み前に先生にわざわざ時間を作っていただいたのは、保護者の同意書にサインしてもらう必要があったためです。
…………先生は私の親ではないですよ。明らかに語弊のある言い方をしている私も悪いのですが。
父から同意書なる物をもらったときに一面に並ぶ台湾の繁体中国語を見て、中国人である私はわかる漢字が数個しかなかったのですが、やはり言語感覚が身についているのか、書いてある文字の意味は理解できました。
私の意訳では、この同意書は簡単に言うと「子供を一人で台湾に行かせる同意書」でした。
しかし、私はあくまでも高校2年生で未成年なので、大人の同伴が必要になります。
そのため、修学旅行に同伴する担任の先生のサインが必要、ということなのです。
いやー複雑! 後々わかることになりますが、こんなのまだ序の口です。
先生と夏休みの状況や課題の進捗を軽く話しつつ、無事、サインをもらえました。
私は1枚しか書類を持ってきていなかったのですが、先生に万が一のために備えて複数用意することを勧められ、学校でさらに2枚同じ書類を印刷していただきました。
流石、大人だなぁとしみじみと感じ、自分がまだ幼いことを自覚させられました……
とはいえサインはもらえたので無事ミッションクリア!
私が父からもらった申請書類はこれだけだったので、サインをもらい終わった私は能天気に足早に家に戻りました。
スムーズに終わって肩の荷も降り、家を出た時よりもさらに強まった暑さが気にならないほど、気が軽くなっていました。
また、今回の渡航証の申請は私が修学旅行に行くためだったので、両親は私に一任していました。
それがこんな楽に終わるなんて、今度からパスポートの更新も自分でやろうかな? とかいう超がつくくらい、楽観的な考えまで生まれていました。
これから起こる数々の災難を知っているはずもなく……
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