第5話
ぶちっ
と何かが切れた。
それが、限界を越してしまった音だと彼ら自身が気づくのにそんなに時間はかからなかった。
もう何も考えたくない。
もう何一つ聞きたくない。
さあ、あとはもう奴を閉じ込めるだけだ。
もう終わりにしよう。
もう終幕にしよう。
はみ出す奴は消えろ。
さあ奴を殺してみろ、それでもなお、世界は何も変わらないよ。
これ、私が書いた小説の一部です。
なかなか傑作だと思いません?
……おい。褒めろよ。
おっと失礼。私、苛立ってしまうとつい口が悪くなってしまうものでね……あは。
さてと。話を戻しますか。
まあ、そんな騒動があったのが決め手だろうに、それで彼は、精神病院に
『監禁』
されました。
今、慣れない言葉が出てきましたね。その言葉が出てきた時の貴方のそのお顔。
ふふ。なんと素晴らしい。
ああ、そうだ。冒頭でもご紹介したんですが、これからの彼のことは、私の自作小説風に話してみましょうか。そっちの方があなたも退屈しないでしょうに。
なんだ?お前もあの子のようになりたいのか?
それっ
ゴッ
ガンガンガン
グシャ
さて、これで目が覚めたでしょう?
どうだ、私の特製ハンマーで眠い目を叩かれた気分は?
ああ、何て楽しみなんだろう。
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